がハリセンボンとらんらんらんでぶー(違)をしている頃。

はさっさと一階に降りてきていた。

塔の中を通らずに、ぴょーん、と飛び降りたのである。

所要時間たったの8分

ソレを聞いた、第三試験通過第2号、所要時間6時間ちょっとのヒソカは、思わず呆れた。





「んー。だって塔の中をえっちらおっちら降りるの、メンドいっしょ」

「・・・・・・だからって・・・・・・最上階から地上までドレだけあると思ってるの、いくらでも、外壁つたって降りるなんて危なかったんじゃない?」

「外壁つたってないよ飛び降りたんだよ。だって俺飛べるからー。」

「いやいや。人間は飛べる様に出来てないからね」

「まぁそーだども。てゆーかヒソカさ。お前獣に化けれる人間ホントに人間だと思ってんの?」

「あ。」





どうやらこのピエロはすっかり忘れていた様である。

このどっかほえほえとした美青年が、養い親と同じ人じゃない生き物である事を。





「・・・パパもだけど、人間じゃないって、一体何なの?」

「ん?ナニ知りたいの?」

「うんすっごく」

「んふふー。ソレはだねー・・・・・・」





にぃんまり、と笑ったがふと声を途切らせる。

その目が映したのは扉。塔の中の受験者達が、合格する為に潜らねばならない扉だ。

その扉の向こうから。ミョーに殺気ばりばりな気配が近付いてくる。

ヒソカも気付いた。

しかもこの気配。間違いでなければ。いや恐らく。いやいや絶対。





「中で何かあったのかしらん?」

「・・・・・・なんでおねーさん口調・・・・・・でも、ボクもこんなのちょっと初めてなんだけど」

「アイツが本気で怒るなんてホント滅多にないからなー」





2人揃って首を傾げ。

じーっと見てたら、自動ドア様式で勝手に開く前に、ばったーん!!と向うから扉が蹴開けられた。

そして姿を現した人物に、は目を丸くしヒソカはビクッと震える。

ソコには、無表情で金の眼を据わらせて、怒気と殺気を隠しもしないと、そのの右腕と鎖で繋がってる針だらけの受験者の姿。

しかもその針だらけ、キモチワルイ顔でヒソカを見た瞬間、同情憐憫哀愁を漂わせた。





「って待ってイルミ何その顔!?何その顔!?

「・・・・・・ヒソカ、顔変えてるのに本名呼ばないでくれる・・・・・・後先に謝っておくよ、ごめんね

「って何で謝られるのボク!?キミ一体ナニしたの!?」





「――――――ヒソカ」





がヒソカを呼んだ。

その声は底辺を這う様な低さで、そーとーご機嫌ナナメである事が伺える。

ヒソカは思わずひぃっと顔色を青くしの背中に隠れて。

「――――――お前、ちょっと来い」

だがしかし。はぶっちぃ!!と手錠の鎖を素手でちぎって投げ捨てて。

ズカズカヒソカに近付くと、その腕をむんずと掴み外へ引き摺ってった。

そりゃもう抵抗する間も止める間も無いホド華麗に素早く。





後に残されたはしばらく唖然ぼー然としていたが。

「・・・・・・お前、アイツに何したの、ってゆーか、何言ったの

やがて、同じ様に置いてけぼりを食らった針だらけに、顔を向ける。

そして、顔と疑問を向けられた当人は。

「・・・・・・ヒソカ僕が貰っても良い?って発破かけちゃった」

「・・・・・・あー・・・・・・」

ナルホド納得、と声を濁すに、針だらけ、もといイルミはわたわたと慌て。

「だ、だってアイツムカつくしヒソカ可哀想だったし。なのにまさかアレくらいで開き直られるなんて思ってもみなくて

「・・・・・・うんまぁ、あんだけねちねちうだうだ悩んでたのに、ソレっくらいで開き直られたら、ねぇ・・・・・・」

しかも目が据わってた。開き直りドコロか、イケるトコまでトコトン、イっちゃうかもしれない。





何だかヒソカが心配になってきた

「・・・・・・ちょっと、見てくる」

「・・・・・・気を付けてね」

同じく心配になってきたイルミに見送られ、とヒソカの後を追う事にした。





そして一方、引き摺ってきたと引き摺られてきたひそかは、といえば。

2人揃って無言の沈黙を貫き通していた。

は感情の赴くままに行動してみたものの、この先どーしよー、と内心冷や汗ダラダラである。

ヒソカはヒソカで、初めて感じるのマジギレの雰囲気に、萎縮してしまって何も言えない。





ヤバいマズいこのままじゃ埒が明かないぞ、と。

再度開き直る事にした。

開き直る。ソレすなわち。





がばっ!!

「えっ、ちょ、・・・・・・!?」





ヒソカを力いっぱい、抱き締める事である。

「ちょっと、!?」

「ごめん」

「え、な、いきなり、何」

「ごめんヒソカ」

「だから、いきなり、何!」

慌てて離れようとするヒソカの抵抗を文字通り力で止めて、その耳に、囁く。





「――――――俺、もうお前が俺の子だ、なんて言えない」

「え」





腕の中の抵抗が止まった。

ほんの少し力を弱めて、覗き込む様に見た顔には、驚愕。

ソレに微笑みを返し、は右手でヒソカの顎を掬い上げ、親指の腹で、その薄い唇を、撫でる。





「一生隣にいて欲しい。誰にも渡したくない――――――お前を、抱きたい」



「そんな事思う俺は、もうお前の親には戻れない。だから、ごめんな。ヒソカ」





くしゃり、ヒソカの顔が歪んだ。

ソレはそうだろう。突然養父からカミングアウトなんかされたら。

受け入れられる、なんて。そんな生半可なモノじゃない。





ヒソカが俯いた。

の身体を押し返そうと、胸についていた手をぎゅっと握る。

「・・・・・・ばかっ。許さないんだから、なんか」

零されたのは、今にも泣きそうな声、で。

「ん。解ってる。ほんとにごめんな」

「解ってないっ。のばかばかっ」

「ヒソカ」

ぽかぽかと、胸を叩かれ。

ああやっぱり、受け入れて貰えないのは辛いなぁ、と。はぼんやり、ヒソカを見下ろす。





だがしかし。





「・・・・・・キス」

「へ?」

「キス、して、くれたら。許してあげる」

「・・・・・・・・・・・・は?」

「〜〜〜〜っ、ボクだってっ、ずっとずっとっ、好きだった、んだから!!」

「・・・・・・え、と」

「ずっと、アキラの事、おとうさんじゃなくて、好き、だったん、んぅ!?」





その瞬間、の理性は焼き切れた

顔を赤くして自分を見上げてきたヒソカの、声を荒げる為に開かれた口に、喰らい付く。

「・・・ん、ん・・・っ、ふ、ぅんっ、ふ、んぁ・・・・・・っっ」

下唇を甘く食み、歯列をなぞって奥に逃げた舌を追い掛け。吐息ひとつ溢さぬ様に、覆って、塞いで、齧り付いて貪って。

「ふ、ぅんん・・・っっ」

甘い声が身体の芯を熱くさせる。

もっと、もっと味わって――――――





「ナニやってんじゃいオノレは」

げいんっっ。

「ぎゃいん!?!?」





イキナリ後頭部を強打され、は頭抱えてその場にうずくまった。

「〜〜〜〜っっ誰だイイとこ邪魔しやがったヤ、ツ・・・・・・は・・・・・・あ。」

くぅぅうっっ、と男泣きしながら文句のひとつでも言ってやろうとした声は、徐々に小さく萎み。

そりゃ萎む。

だってソコには、ニッコリ笑って腕を組んで仁王立ちして自分を見下ろす風の悪・・・もといの姿が。

思わずひぃいと悲鳴を上げてもイイ筈だ。





「なーにやってんのかにゃ〜こーのバカ犬はぁー?」

ドコまでもサワヤカな声で笑顔で、だけどコメカミに青筋立てたりなんかしてるは、どどーんとを見下ろしたまんま。

晴れて両想いオメデトウって言いたいトコだけど、イキナシ青姦はないんでない?

「んなっ!?」

ぼぼんっ!!とヒソカの顔が真っ赤になった。

もその単語にはピキーンと固まって、ヒソカと正反対にまっつあおになる。





そんな2人・・・というか主にに向かって。

「イチャコラすんのもまぐあいあうのもオマエ等の自由だけどね。てぃーぴーおーとやらは弁えな?

2人は正反対の顔色でブンブンと首を縦に振ったのだった。




















 





 













やっとこさりょーおもい!!
 





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