光の元へ一歩を踏み出せば、ソコはちょっとした広間になっていた。 ようやく暗闇の罠回避は終わった。 なんだかすんごい事を達成した様な気になって、は思わずホッと息を吐く。 「ねぇ」 「っはいぃい!?!?」 だから、後ろから掛けられた思わぬ呼び掛けに、思わずびくぅ!!と身体が跳ねた。 そろりそろりと振り向けば、針だらけの顔でハリセンボンがじっとコチラを見ている。 一体何だ何が言いたいんだナニユエそんなに凝視するんだ。 たらーり、の背中に冷や汗が流れた。 しかし。 「君のソレ、変装?」 こけっ。とは拍子抜けした。 「え、いやいや違うゼンッゼン違う一体何で」 「名前は?偽名?」 「いや本名だっつーのだから何で」 「ヒソカの父親にしては若造り過ぎるな、って」 ひきっ。 今度は顔が引き攣った。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんで知ってんの」 「一度聞いた事があるんだよねヒソカに」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああさいですか。」 とゆーか聞きたかった事はソレか。ソレだけか。 ソレだけの所為で自分はじーっと。すっごい心臓に悪い気味悪い顔にじーっと見られてたのか。 なんてハタ迷惑な。 「で。ヒソカの父親だから言っておくけど」 しかもまだあるのか。とゆーか何を言いたいんだ。 「ヒソカ、僕が貰うから」 フリーズ。 間。 ・・・・・・ま。 ・・・・・・・・・・・・マ。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」 「耳遠いの?やっぱりソレナリに歳は食ってるんだ」 ようやく脳みそにハリセンボンの言葉が届いて、意味も理解して。 思わず漏れた呟きに、いささかシツレイな返事が返ってきた。 「いやいや聞こえてた俺そんな年食ってねーっつーか何だそれ誰をもらうって!?」 そうだ。耳遠いうんぬんよりもマズはコッチだ。 なにせ、思わず聞き咎めたって仕方無いくらいの問題発言なのだから。 けれどハリセンボンはあっけらかんと。 「ヒソカ」 「誰が!?」 「僕が」 あんまりにも淡々とはっきしくっきりさっぱりと言うもんだから、は眦を吊り上げる。 「っっ、ッダメだだめダメ絶っっっ、対!!に駄目!!」 「何で駄目なの」 さらり。 「誰がお前なんぞに可愛い1人息子をやれるかおとーさんは許しません!!」 「どうして君の許可貰わないといけないの」 へらり。 「俺のヒソカがもーほーの餌食になんて快く承諾するかっつーの!!」 「恋愛は個人の自由じゃない。ソレに」 じ、と。コチラを見詰めてくる目。 もまた、その黒くてガラスの様な目を睨み返す。 「ヒソカは君の、じゃないよ」 ―――――― ぷ ち ん 。 何かが切れる音、が。 の中で木霊した。 |
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キれた。 | ||
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