は極彩色の魚を獲った。 しかもソイツは両手で抱えてやっと持てるくらいの大きさ。 見た目はあり得ない、食えるモンじゃないと思うくらいあり得ない魚だ。 けれどは人型になれる犬(<狼だっつーの!!)だ。鼻はよりも良く利く。 よってコレは食べられる。しかも美味い。断言できる。 だからはほくほくと、とっても上機嫌で試験会場に戻った。が。 「・・・・・・???」 会場内がなんかオカシイ。 なんだかすっごいひっそり静まり返っているのだ。 首を傾げながら室内に入る。 受験者達はなんだかビクビクしながらこそこそスシ≠作っていた。 なじぇ?と更に首を倒しながら奥へ。 そして見つけたの周りで、ヒソカとゴンとキルアとブハラとサトツが何か食ってるのを見て、ああ、と思った。 メンチのオーラがどす黒い。つまりは、まあ・・・・・・そーゆー事なんだろう。 「ー。獲ってきたー。コレこのまま食えっから、早速捌いてー」 てけてけと歩み寄りながら、ずずいとに魚を押し付ける。 「ん。・・・・・・スゴイ色だねまたコレ。」 受け取ったは魚の色に一瞬眉をひそめ、魚をまな板の上に置いて包丁を手にする。 はちらん、と養い子を盗み見た。 けれどさりげなーく、けれど確実に、すすすー、と離れられて。 (・・・・・・・・・・・・そーだよなー嫌われてんだよなー俺。) なんせ真正面から言われてるし、憎まれてる。そうなった経緯が自分にある事を、自覚もしてる。 (許してくれ、ってゆーのは、やっぱ甘ぇ、か) だけど一緒にいたいのだ。離れたくないのだ。 出来れば一生。傍にいて、守って。 (ドレだけ変わろうが、やっぱりアイツは俺の大切な――――――) けれど憎まれている。 に考えろ、とは言われているが。コレは考える余地もないんじゃなかろうか。 はふ、と溜息吐いたは、ソレ食べていーよ、とが指したおこげの八宝菜掛けをちまちま食べ始めた。 ――――――ちなみに、すすすー、と離れたヒソカはといえば。 (・・・・・・勘違い、だったのに・・・・・・大嫌いって、言っちゃったんだよね、ボク・・・・・・どうしよう・・・・・・) コッチもコッチで凹んでた。 しかも。 (・・・・・・っていうか、があんな事言うからの顔まともに見れないよ・・・・・・) 恥ずかしくて、彼と目も合わせられなかった。 ヒソカはの事が好きだ。 最初は本当に、父親として慕っていた。 けれど気付けば恋愛感情になっていた。 だから、自分の所為でを危機に陥れたと自身を憎み。 捨てられたと感じてを恨んで。 の傍にいたを本気で殺そうと思ったのだけれど。 ぐるぐると自分の世界に入ってしまった2人の姿に、キルアは目を細めた。 試験前、とヒソカが言い合っていた事はしっかり覚えている。 その内容だけでなく、その後のの変態親バカっぷりもモチロンしっかり。 (・・・・・・・・・・・・どーなるコトやら、この親子) 全く親子には見えないが。特に。 けれど互いが互いに、異様に執着してるのは確実だ。 なのに親は、ソレは親愛の情からだと頑なに信じて。信じ込もうとして。 そして子供は、捨てられたと憎みながらソレでも親の傍に他者がいる事を許さない。 まあ、その他者――――――は易々ヒソカの懐柔に成功した様だけれども。 擦れ違いと思い込み。ココまでいったらいっそ見事だ。 頼むから周りにメーワクだけはかけないでくれよ、と思いつつ。 キルアは綺麗に平らげて空になった器を流し台へと持って行く。 ソコには。 「ほほう。これはまた・・・・・・素晴らしい包丁さばきですね」 「ソレはどーも。」 「・・・・・・君、料理人?」 「えー?ちがうちがう。料理は趣味ー。」 「ねえ、コレは何て料理?」 「ん、刺身ってゆーの。」 のほほんのほほん。 魚を捌くが、サトツやブハラやゴンの質問に答えていた。 |
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キルアの観察眼はスルドイのさ。 | ||
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