ドコかの誰かさんがぐるぐる悩んでる間にも、時間は一刻と過ぎているワケで。





2次試験、ひとつめの課題豚の丸焼きを、がクリアしたのは時間ぎりぎりだった。

試験開始も気付かずにぐるぐるしてた所為だ。

後頭部叩いて覚醒させるのがもうちょっと遅れてたら、ヤバかった。

でも取り敢えず、合格、ともらえた事にホッとひといき。





考える事はいっぱいだ。

元々考えるよりまず手とか足とかが出るタイプだし、今まであえて考えて来なかった事もある。

だけど考えなきゃいけない。

成長して成人して大人の仲間入りを果たして変わった。今、あの子が考えてる事は何か。

コレから自分は、どうするべきか。





「だから。どうすべきか、じゃなくてどーしたいか、を考えなって。」

べしこんっ、との考えを易々読んで、は軽く銀の頭をはたく。

「・・・・・・さっきからべしべしべしべし。ヒドクね?

脳細胞が死んだらどーしてくれるんだ。ソレでなくとも元から少ないのに。

「え。脳細胞なんてあったの?」

だけどサラリと言われて何も言い返せずに沈没した。





そんな事をこそこそ言ってる間にも、メンチがお題を高らかと宣言して、受験者達がざわついて、と事態は動く。





は1人サッサと動いて、会場内の厨房へと向かった。

メイン食材は無いが、他はある程度揃ってる。野菜調味料飯エトセトラ。

素麺発見。コレはアレか、受験者の混乱を誘う為の小物か。

まあイイや、と。アレやコレやまな板の上に野菜を並べていくに、試験管も受験者達も興味深々だ。





「・・・・・・・・・・・・ナニやってんだ、

「お腹空いた。だからまず何か食おうかと。イロイロあるし。」

「だからステーキ定食食っとけっつったのに」

「弱火でじっくり?やだよあんな重いモン。





そんなの遣り取りで、一斉に興味も失せた様だが。





「て、ワケでなんか取ってきて。

「は?何で俺が」

さっきの豚でもいーよ。おいしそーだったし。」

「イヤイヤだから何で俺」

「あ、ヒソカ。どーせお前も朝から何も食ってないクチでしょ?一緒に作ってやるから手伝いな。

「え、ちょ、ちょちょちょちょちょっとさんっっ!?!?」





のツッコミにもはのほほんマイペース。

しかもよりによって声を掛けたのは、さりげなくを見ていたあの危険人物。

周囲がどっひゃあ!!と引くのは当たり前。

観察していた試験管達(サトツ含む)すら、ぴきっ、と固まった。

違う意味で固まった人物も1人いるが。

気にせずはその固まった人物・・・・・・に再度注文する。





、早く取って来て。」

「え、ええ、いいいいいやいやいやいや」

「いーからさっさと食材調達して来いやてめぇ。」





しかもげしげしと会場から蹴り出し始めた。





「ちょっ、わっ、でっ、っっ!!」

「ぶたにく欲しいぶたにく。・・・・・・魚あったら刺身にしてやってもいーよ?

「!!取ってきます!!」

((((取って来るんかい。))))





背中に心のツッコミを受けたは、けれどソレに気付く事無く森の中へと走って行った。

サシミ≠ニいう単語にぴくっ!!と反応していたから、きっと好物なんだろう。

なんて単純な、と誰もが思わず思った。





何だかなぁ、な空気が充満する。

けれどは1人のほほんマイペースを貫き通して。





「あ、パスタ・・・・・・茹でるのメンドいな。圧力鍋?イヤイヤ使わない。卵だー。プリン食いたいプリン。んー・・・・・・」





がさごそと、厨房の下を漁り始めるのだった。




















 





 













試験会場でぷりんは作れないと思う。いやゼッタイ。
 





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