ヒソヒソと。其処彼処で話声がする。

の耳はとっても性能が良いので、一言一句間違える事無くその内容が解った。

(・・・・・・・・・・・・あー、ね。ホントにハタから聞いてたら痴情の縺れ、だもんね。)

はふ、と溜息吐きながら、ぱたぱたとさっき受け止めたトランプで団扇の様に仰いで。





じりりりりり!!と。大きな音が鳴った。

どうやら試験開始、だ。





「何時までOTZしてんの、。」

てけてけと、文字通りOTZな格好で項垂れてるに近寄って声を掛ける。

「・・・・・・大嫌いって・・・・・・大嫌いって言われた・・・・・・」

だけどブツブツと。暗雲漂わせてうわ言みたいに繰り返す。





ちろん、と顔を上げれば既にマラソンは始まっていた。

はでっかい溜息を吐いて、を立ち上がらせる。





、試験始まってんだけど。」

「・・・・・・今まで一回も言われた事無いのにむしろいっつも大好きって言ってくれてたのに・・・・・・」

「聞けよヲイ。」





ずびしっ。

ぱたっ。





脳天チョップ入れたらアッサリ沈んだに、はとうとうどっかでぷちっとキれる音を聞く。





「ああああもうっっ!!おっまえホンットまぢウザイなをい!つか一回大嫌いって言われたくらいでなにもー諦めてんの!?当たっ

て砕けろとまでは言わないけどお前まだちゃんと当たってもいないっしょ!?ガラガラ崩れんのはアイツ捕まえてちゃんと話して話

聞いたげてソレでもダメだった時にしろよ!!」






首根っこ掴んでぶんぶん振りながら一息。

しかもとってもでかい声だ。ココは地下だから、多分あの奇術師にもその声は届いただろう。

現にマラソン最後尾の受験者達は、ビックリしてコッチ見てるし。





そして、のそんな一括を受けたはと言えば。





「・・・・・・・・・・・・そーだな。そーだよなうん俺頑張る!!





うををを行くぞ俺頑張れ俺!!と。

復活してだりゃあぁぁああ!!と走って行った。

「・・・・・・・・・・・・おバカ全開・・・・・・・・・・・・」

がその後ろ姿を白けた目で見送るのも無理はない。





「・・・・・・ま、いっか。」

けれどサクッと気を取り直して。

自分は自分で、あの子に近付こうと走り出した。




















 





 













タンジュンだから立ち直りも早い。
 





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