ぴぃちく、と。

鳥がどっかで鳴いている。





ぴぃちくぱぁちく。

ちゅんちゅんちゅん。





(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ。)

なんかついこないだもこんな事があった様な。





おめめパッチリ慌ててがばぁ!!と身を起こす。

一番最初に目に飛び込んできたのは、樹。

右を見る・・・・・・樹。

左を見る・・・・・・やっぱり樹。

上を見る・・・・・・木の枝と葉っぱと木漏れ日。





がガリガリ魔方陣描いてた城の庭じゃない!!)





ぐ、と喉が鳴る。ひくひくひく、と口元が歪む。

ココはどう見ても森だ。自力で移動した記憶なんてないから、界%nりは成功したと見える。

ならばココは一発勝利の雄叫びならぬヨロコビの雄叫びをば!!





ぴょんっ、と飛び起きて、すう、と息を吸った、その時だった。

「お。起きたのか白わんこ。」

ずべっ、と滑った。





「がるるるるる!!」(誰がわんこだ誰がぁ!!)





思わず振り返り、音源へと唸りを上げて。

かっちーん。

目にした人物に、は固まる。





だって。

見間違いでなければソレは。

つか何で。





「あうわうきゃうぅぅぅううううん!?!?」(なんでんなトコにじん・ふりーくすぅぅぅうううう!?!?)





そう。

のすぐ後ろ、地面から盛り上がった木の根に凭れかかる様に座って。

あの、ジン・フリークスが、を見ていた。

しかもに膝枕をした状態で。





「うわんわんわんわん!!!!」(ってナニ勝手にの寝顔覗き込んでんだこのやろーーーー!!!!)





ソレでなくとも、眠る、なんてとっても貴重なのにっっ。

あろう事か不精ひげの大変麗しくないおっさんがっっ!!

「わうううわんわん!!」(なんて役得!!俺なんていっつもに邪魔されて滅多にそんな事できないのにーーーー!!)

しかもっ、言うに事欠いてひ・ざ・ま・く・ら!!

オマケに、なでりなでりとの頭を撫でてるオマケ付きときた!!





「がるるるるああああ!!」(鼻の下伸ばしてんじゃねぇさっさとから離れろやこのえろじじー!!)





ヤキモチ9割危険感知1割。

は吠えながらおっさんに飛び掛かる。

が。





「・・・・・・・・・・・・うー。うっさい・・・・・・・・・・・・」

げいんっっ。

「きゃいん!?」

「をを。ナイスコントロール。」





飛んできた石に撃ち落された

投げたのは、勿論寝ぼけまなこのである。

べちゃ、と腹から落ちたに、おっさんはぱちぱち拍手を送る。

そんな間に、も眠りから目覚めた様で。





「・・・・・・ぬ〜。よっく寝たー・・・・・・れ?ナニしてんの





ふら〜っと起きてぐぐーっと伸びをして。

はた、と視界に入ったのびてるに掛けたのはそんな言葉。

自分が石を投げ付けた事なんかコレッぽっちも覚えてない。

さしものおっさんも、同情の目に向け。

ちょぴっとだけ、泣いてもイイかな、なんて思う。





ー?」

「・・・・・・きゅーん・・・・・・」(・・・・・・ふーんだどーせ俺はうるせーですよーだ石投げられても仕方ないですよーだ・・・・・・)

「え、石?投げられたの?誰さそんなヒドイ事したの。」

「「イヤお前がやったんだって(がうわうあう)。」」





思わず尻尾と裏拳込みでずびしっとツッコミが入った。

尻尾は言わずもがなであるが、裏拳はの後ろでまだ座ってた不精ひげのおっさんである。

はその声にふい、と後ろを振り返った。

よっ、とにっかり笑ってぴっと手を上げるおっさんを見て、ソレからまたへと向き直って。





「・・・・・・・・・・・・ダレ?」

「わうあうあん。」が起きるまでの寝顔見て鼻の下伸ばしてたヘンタイ。)

「・・・・・・・・・・・・え゛、変態?





こてん、と首を傾げおっさんを指差したら、なんともまあイヤンな返事が返ってきた。

思わずはずざざざっっ!!との後ろに避難し、イヤそーな顔でおっさんを見る。





「いやいやいや!!違うから!!タダの通りすがりだから!!つかホントにその白わんこがそー言ってんのか!?」





慌てて弁解するおっさんだが、もじとーっとした目でおっさんを見詰めるばかり。





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・通りすがり?こんなトコで?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わふわうわん。」(どー見たって森だよなココ。)

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アヤシイ。(あうん。)」」

「いや俺が怪しかったらこんなトコで仲良く昼寝してたお前等だって充分怪しいだろうが。」





まあ確かにおっさんの言い分にも一理ある。

あるのだが。

「アヤシクないもんココ俺等の庭みたいなモンだもん。」

すっとぼけるつもりでがほけほけ言う。

まあ、にとっては、どんな凶暴な獣がいたってドコにあったって、森や山は庭みたいなモンだ。間違いではない。





そんなのアッサリした返答に、おっさんはへぇ、と呟いた。

「ああ、じゃあお前、麓の村のモンか」

しかもイイ感じに勘違いして下さった。

「だがこんなトコで昼寝はいただけんな。今はまだ日が高いから良いが、この辺夜になると凶暴な動物出るだろ」

と思ったら今度は説教モードだ。





けれどやっぱりはほけほけのほほんと。





「俺眠くなったらドコででも寝ちゃうからー」

「寝るな。ドコででも寝るな絶対。」

「うぃー。今度から気をつけまーす。」

「わううーん。」(まーす。)





ずびしとツッコミ入れたおっさんだったが。

ほけほけ、のほほんした2人(?)の返事に、がくぅ、と肩を落としてあ―駄目だこりゃ、と呟いた。




















 





 













あらたなであい!!
 





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