カワイイったらありゃしない。

そんな事を延々思いつつ、私はグッと拳を握る。





いやだってだって!!

何時もはニヒルなのにやんちゃっ子みたいなナルトとか!!

何時もは控え目さんなのにおねーさん風吹かしてるサクラとか!!

何時もは甘えたなのに頑張って気取ってるサスケとか!!





「?どーしたんだってばよカカシせんせー?」

「っ、いやいやいや、何でもなーいよ?」





ってゆーかナルト!!あんたそんな上目遣いで小首傾げて見上げてくるんぢゃありません!!

思わず鼻血吹きそうになったぢゃないか!!





「・・・・・・おい、カカシ。本当に大丈夫なのかアンタ?」

「っ、ん?うんまーちょっと考え事してただけだからーね」





のぉぉおおおっっっ!!サスケ駄目だよソレってばさっきまでツンだったのにこのタイミングでデレを出すなんて!!

襲われたらどーすんの!!主に私に!!





「ホントに考え事ですか?気分が悪くなったとかじゃ」

「っ、ほんとほんと。気分なんか悪くなってなーいよ?」





にょおぉぉぉおコラコラ待てぇい!!サクラ禁止!!そんな心配です不安ですみたいな顔やめぇぇええええ!!

ぎゅーしちゃうから!!もー欲望の赴くままにかいぐりしたくなるから!!





「・・・・・・・・・・・・お前等ほんっとカカシ先生好きだな」

ちょっとソコ!!シカマル何そんなメンドくさそーに溜息吐いてんの!!

でももっと言って!!嬉しいから!!





「俺はコイツが体調崩したら修行にも任務にも支障が出る事を心配してるだけだ」

「好きとか嫌いとか関係ないわ。体調が悪い人を心配するのは当たり前でしょう?」

「あったりまえだってばよカカシせんせーはオレのせんせーだかんな!!」





うにゅうしかもサスケツン復活!!サクラやっぱりおねーさん!!やんちゃっ子の上に素直までキたよナルト!!

コレがカワイイと叫ばずナニで叫べと!!





「・・・・・・・・・・・・カカシ先生、指。わきわきしてんぜ気持ち悪ぃ」

うっさいよキバ!!

私今すっごいこらえてんだから!!もーがばー!!って行きたいのこらえてんだから!!





「・・・・・・あ、あの、か、カカシ先生。本当に、大丈夫、なんです、か?」

ありゃ。しかもヒナタちゃんまでおどおど私を心配しだしたよ。

この子もカワイイよねっ。この小鹿ちゃん具合がっ。

「むぐ・・・・・・お腹、空いてる?僕のお菓子食べる?」

うわっほ。ソレは君の命の次に大事な大事なお菓子じゃないんですかい。

この子もイイこだー。抱き締めたらふよんって感じなんだろーなー。





わきわきしてた手が思わず伸びて、チョウジとヒナタの頭をくしゃくしゃ撫でた。

「だーいじょーぶだーよ。ありがとーね」

ああんソコでそんな照れくさそーにされたら困っちゃうじゃないか。ぎゅーしたくなって。





「「「・・・・・・カカシ(せんせー)(先生)」」」





ああああそんな拗ねた顔しないの3人共っ。

萌えちゃうからっっ。何時も頑張って抑えてる腐女子魂が悶えちゃうからっっっ。

決定!今晩は絶対みんなで一緒に寝る!!

そしてこの萌えを!!溜まりに溜まったこの萌えを発散させる!!

そんなワケだから時間よ!!サクッと夜になってくれ!!私の為に!!





・・・・・・・・・・・・うん解ってる。自分がどんだけ無茶言ってるかちゃんと解ってる。





私はまだまだ日の高い空を見上げて。わっさりと草の塊を抱えてる子供達を見て。

「そーれじゃ。だーいぶ薬草集まったし、一度アスマと紅んトコに――――――」





言い掛けた、途中で。琴線が拾った気配。





「――――――みんなで競争しよっか。アスマと紅んトコまで」

ぽん、と。ナルトの頭に手を置く。この子もまだ、気付いてない。

「いっとーしょーには、ご褒美だーよ。何でも欲しいモノ、いっこ買ったげる」

きゃあ、と。子供達が騒いだ。あのシカマルすら、何でも、をもう一回強調したら、目を煌めかせて。

「俺は10数えたら走るかーらね。ソレじゃあ、よーい――――――」

わくわくと。だけど真剣に。ナルトもサクラもサスケも。普通の子達に混ざって、年相応で。





「どん!!」





走り出した。子供達がみんなみんな。

200メートルくらい先にいる、アスマと紅の元へ。一目散に。

「いーち、にーい、さーん、しーい、ごーお」

私はのんびり、数を数え出した。遠ざかる、子供達の背中を見ながら。

のんびり、のんびり・・・・・・苦無を両手に持ちチャクラを練りながら。





ナルトの、脚が止まる。

ソレからサスケ。続いてサクラ。

遅れてキバとシカマルが。

止まった5人に、残りの4人も、訝しむ様に止まる。





気付いたアスマと紅が、慌てて子供達に駆け寄った。

覆面の下で、私の口角がゆっくり上がる。

そして。





「ろーく、しーち、はーち、きゅーう――――――結界を張れ、紅!!」





飛ばした怒号と、私に手裏剣の雨が降ったのは、同時。










 





 













誰にどんな目で見られようがおねーさまの脳内は相変わらず。
 





<<バック                   ネクスト>>
<<バック>>