奈良家は名家のひとつだが、木の葉上層部の古狸共にはあまりウケが良くない。

まあソレはうちはや日向もだけどな。

しかも奈良シカマルの父親、奈良シカクはミナトの同期で友人だ。

若くして4代目火影を襲名し、事ある毎に上層部と衝突してたミナトの。





だから奈良シカクのウケの悪さは、代々の奈良家当主の中で過去最高、らしい。





そんな奈良シカクの首に鈴を付ける為、奈良フガクの弱みを握りたい、と考えるのは、まあ解る。

そのターゲットにしたのが、奈良シカクの息子、シカマルだというのも・・・・・・外道め、とは思うがまあ、人質なんてのは脅迫の常套句だ。

そしてそのシカマルの知能指数がどうやら高いらしい、というのは、アチラも知っていた様で。





子供を質に取って親を言いなりにし、あわよくばその子供すらも利用しよう、とか。

そう思い至った末、アカデミーの図書館に仕込み、手に取る様に誘導し、まんまと引っ掛けさせられた罠が、あの本。

一冊まるっと暗号だったのは、勿論他の生徒が見ても解らない様に、だったし、どうやらシカマル自身の力量を量る為でもあったらしいけどな。





――――――だが。だけど、だ。

予想よりも早く紐解いてしまった事に、利用価値よりも危険分子と見た挙句に始末しようとするとは。





「・・・・・・・・・・・・ほんっと。上層部の糞爺共も本当にロクな事しやがらねぇよな毎度毎度」

、口調口調。戻ってる戻ってる」





へっ、と吐き捨てながら呟いたら、横からコソコソとが言ってきた。

・・・・・・まあ、確かに『おにぃちゃん』はいっつもニコニコ丁寧穏やか、だけど、な。





「大丈夫だろ誰にも聞こえてないみたいだし」

「うんまーそーなんだけーどね」

「ソレに、すっげ業沸いて仕方ないんだよ俺は」

「確かに。俺だってムカついてムカついて。思わず子供達に内緒で件のクソジジィに呪いかけちゃったよ」

「え。もか?」

「え、って。え。もしかして、も?」

「ああ。1週間悪夢に魘されちっちゃい不幸に見舞われろな呪いを」

「俺は1週間下痢と抜け毛に悩まされろな呪い」





サスガ一心二体(?)。

全くおんなじ事やってるわ。





「で。その奈良の嫡男ドノはどんなカンジ?」

「ああ。流石はIQ200以上、ってカンジ。チャクラの総量が少ないのはまあ仕方ねーけど。その分頭脳でちゃんとカバー出来てる」

「そか。」





の問いにサラッと答えれば、ふわりと柔らかく笑う目元。

5人の子供達の中で、純粋に力が一番弱いのがシカマルだからな。





「ソッチはどうだ?」

「ん。サスガは黒牙の印持ち、ってカンジ。猪突猛進かと思いきや以外に冷静だし。後はもう少し細かいチャクラ制御くらいかな」

「へえ。」





問いに返ってきた答えに、自分の口元が綻ぶ。

犬塚の嫡子には元々素質があった。だから黒牙も依り代に選んだんだろうが。





「しっかしまあ。拍子抜けだったなぁアレは」

「・・・・・・ああ。アレ、な」

「まさかほんっと『名家の子供』ってだけで誘拐しようとするなんてさー」

「色々裏読んでた俺等バカみたいだよな」

「だーね。ほんっといらん労力だったよ」





揃ってはふぅ、と零した溜息には、揃ってビミョーな重さがあった。

だって、なぁ?

シカマルの方は、かなり深刻で火影のじーさまにまで裏で根回ししてもらう程の大事になった、けどなぁ?





まぁさかあのキバを攫ったどっかの忍。

ただ単に目の前1人で横切った名家の子供だから手土産に持って帰ろうとした、って理由だったんだもんなぁ。





まあ確かにクソジジィの1人と繋がってたけど。

まさかまた葛葉ん時みたく不老やら何やらを求めて黒牙に目ぇ付けたのかと思ったけど。

過去視しようが心ん中暴こうが、黒牙のくの字も出てこなかったんだよ。

の言葉じゃないが、ホントにいらん労働だった。





さて。

そんな風に俺達の口に上がってる、件の子供2人は、と言えば。





「・・・・・・あーらら。」

「・・・・・・サクラもサスケも、随分と本気出しちゃってまぁ。」





って言っても、サクラもサスケも、まだまだ半分以上実力抑えてるけど。

ソレでも、ついこの間まで大人と赤子の差もあったのが、大人と子供の差、にまで縮まっている。





「やっぱ早いねぇ。子供の成長ってのは」

ふわふわと。笑いながらが言う。

「ああ、そうだな」

ソレに、俺も笑って同意を返し。





「間に合いそうだーね。あと2ヶ月。アカデミー卒業までに」

「だな。サスガに下忍になってからも俺達が修行付けるってワケにはいかないからな」

「キバ誘拐からこっち、名家の子の影護衛も徹底化したしね」

「ああ、その辺ナルト達どーなんだ?」

「んー。あの子等がアカデミー卒業するのと一緒に影護衛に徹するって。いちおー下忍として登録はされるみたいだけど」

「幽霊部員ならぬ幽霊下忍ってワケか」

「そうそんな感じ。」





ふむ。

解ってはいたが、やっぱり原作とは遠く掛け離れる、か。





まあ原作でのナルト達は本当にアカデミー生だったし、イルカも普通の中忍師。

対して、今のナルト達は特位で、原作でナルト唆した何処ぞの中忍師は、イルカに尻尾を掴まれ最早中忍師ですらない。

コレだけ違えば、まあ当たり前か。





「ソレにあの2人も。いっそこのまま『白』の隊員に、って話がじーさまから来てたし」

「そーなりゃコッチも楽なんだけどな。影護衛減らせて」





のほほんのほほん。

サクラとサスケに転がされ、ナルトにからかわれる2人の子供を眺めながら。

はてさて事はそう楽な展開に行ってくれるんだろうかと、俺はの入れてくれた茶を啜りながら思った。










 





 













頭の良さはシカマル>サクラ>サスケ≧ナルト>キバ。

力の強さはナルト>キバ≧サスケ>サクラ>シカマル。

サスケが一番バランス良い。
 





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