生まれが特殊だからか。ソレとも本当に『化け物』だからか。

オレもサクラもサスケも。まだ数えで6つだってのに。ありえねぇくらい強くなってた。





チャクラの使い方は葛葉が教えてくれた。

葛葉は今じゃ九尾に堕ちたけど。元は獣神にまで昇華した存在だ。

昔取った杵柄、とやらで。仙術チャクラまで扱い方を教えてくれた。





術はじぃちゃんが、忙しい間を縫って教えてくれた。

サクラは幻術、サスケは火遁。オレは風遁、て感じにソレゾレ得意分野がバラバラに分かれたけど。

バランス良くてイイんじゃね?と3人で顔を見合せて笑った。





武器の扱いや体術は、イタ兄ぃとイル兄ぃが教えてくれた。

水を操れるイル兄ぃや眼術を扱えるイタ兄ぃは、だけどその力を使わなくてもメチャメチャ強くって。

サスケには刀を。サクラには飛び道具に札全般を。そしてオレには鋼糸を教えてくれた。





自分達の強さを自覚したのは、性懲りもなくオレを殺そうと忍んで来た、暗部のヤツを返り討ちにした時だ。





ソイツはサクラの幻術に綺麗に掛かり。サスケの蹴りに盛大に吹き飛んで。オレの脅しでアッサリ戦意を喪失した。

そしてそのまま目を回した。

あんまりにもあんまりなその弱さに、オレ等はコイツホントに暗部かよ?て嘯いた。

あんまりにも信じられなかったから、じぃちゃんトコにソイツを引き摺ってった。

やってきたオレ等にじぃちゃんはソイツを見て頭を抱えて。確かに暗部で其れなりの腕を持ってるヤツだって、答えた。

オレ等を育てた、イル兄ぃやイタ兄ぃの強さが規格外なんだと。





ソコでオレ等は知ったんだ。

今の木の葉の里の現状を。





里は忍の受ける任務の報酬で成り立っている。

その報酬を元手にして、里の人間の生活を支え。新しい忍を育てる。

なのにその忍の数が少ない。任務を受けられる忍の数が足りない。新しい忍を教育する上忍師がいない。

九尾襲撃。うちは惨殺、と。ソレゾレのっぴきならない理由があったとはいえ、ソレの所為で木の葉の忍が激減したからだ。

父さんの私兵だった、という『影』と呼ばれる人達が。父さんの守った里だからと、ほぼ無償で多くの仕事を請け負ってくれているらしいけど。

ソレでも、里を運営する為の資金は未だに火の車。同盟を組んでいる砂隠の里に、頭下げて借金までこさえている、らしい。





ソレを聞いて、オレは直ぐ様サスケとサクラに目を走らせた。

オレの視線に気付いた2人も、オレと同じ考えをしてるって解った。だから言った。





「じぃちゃん、オレ暗部になる!!今直ぐ!!」

「なっ!?何を言うとるんじゃ、おぬしはっっ!!」

「・・・・・・俺も。なりたいです。暗部」

「こりゃ!!サスケまで何を言い出すか!!」

「はーい、わたしも!!わたしもなりたいっっ!!」

「サクラ!?いかんっ、いかんぞ!!誰が嫁入り前の可愛い孫にそんな危ない事をさせるかっっ!!」





オレ等の言葉に驚いて怒って。

最後にはサクラを抱き締める爺バカに、オレもサスケも冷たい目を送る。





「・・・・・・へーぇ。じぃちゃんサクラを嫁に出す気あったんだ」

「・・・・・・兄さんのお嫁さんになる、てサクラが言った時。誰が嫁にやるか、って怒鳴ってたのに」

「じゃあわたし、イタチおにぃちゃんのお嫁さんになってもいいのね!?」

「・・・・・・・・・・・・ぐっ・・・・・・・・・・・・!!そ、ソレとコレとは話が別じゃぞい!!」





オレ等の冷たい目もサクラの明るい声も。全部全部バッサリ切り捨てて。

「・・・・・・こほんっ。兎に角、おぬし等に暗部は早過ぎる。諦めるんじゃ」

オレ等の前では崩壊する威厳とやらを、フルで維持しようとして。





だけどオレ等も諦めなかった。





「・・・・・・・・・・・・オレ、じぃちゃんの役に立ちたい・・・・・・・・・・・・どうしても、ダメか?」

泣きそうな顔で、上目遣いでちろん、と見上げる。

「・・・・・・・・・・・・ご恩返し、したいです・・・・・・・・・・・・ほかげさま、だめですか?」

弱々しい声を出して、サスケが俯きながらきゅ、とじぃちゃんの袖を握る。

「・・・・・・・・・・・・っ、おじ、ぃちゃん、サクラにはおじぃちゃんを、てつだわせて、くれないの・・・・・・っ?」

そしてトドメはサクラの泣き落とし。





元々オレ等にべろんべろんに甘かったじぃちゃんがオチるのも。そんなに時間は掛からなかった。

「〜〜〜〜っっ!!解った!!解ったから泣くでない3人とも!!」

「じゃあオレ等暗部になっていーのか!?」

「・・・・・・そうじゃの・・・・・・ダメじゃと言うて、おぬし等が暗部に悪戯をしだしたら敵わんからの・・・・・・」

「ありがとう!!おじぃちゃんだいすき!!」

「但し!!任務の際には必ず凛と行動する事!そして怪我をしない事!・・・・・・ソレが条件じゃ」

「はい。わかりました」

オチたじぃちゃんにオレ等はガッツポーズをこっそり取って。笑ってじぃちゃんに礼を言う。





オレ等が考える事は何時も一緒だ。

不運な生まれ。閉鎖された環境。そしてほぼ一緒に育てられてきた、と来たら。

イヤでも相手の考えてる事は解るし思ってる事も似るもんだ。





忍不足、と聞いて。オレ等が脳裏に思い浮かべたのは。きっと同じぼんやりとしたぎんいろ。

今もきっと不眠不休で、たくさんの仕事に追われてオレ等に会うのを蔑ろにしている、ぎんいろ。





待っているのはもうイヤだ。

ソッチが会えないって言うんなら。コッチから会いに、行ってやる。










 





 













とーとー子供達が行動起こすよ!!
 





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