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「はたけ上忍。ひとつ、お伺いして良いですか」 もう直ぐ日も暮れるだろう、夕暮れ時。 今日も今日とてこっそりと。この部屋に侵入してきたぎんいろに疑問をぶつけてみようと思った。 「んー?なーにー?・・・・・・って、だから額宛はダメだってばナルト」 「えーいーっ」 「けーちー、じゃなーいの。コレは俺の。ナルトのは、あとじゅーねんもすれば貰えるかもしれないから、ソレまでガマンしなさい。」 「ぶー・・・・・・あーい」 「んん。よしよし、イイ子イイ子」 ・・・・・・・・・・・・しかも、もうひとつ疑問が増えた。 如何して、このぎんいろは赤子と。ナルトと会話を成立させているんだろう。 「で。聞きたい事ってなーにかな?」 きゃあきゃあと。笑うナルトの目の前。手を翻してぽんぽんと花を出していく・・・・・・待て。花? 「・・・・・・・・・・・・はたけ上忍は、手品もされるんですか」 しかも淀み無い。途轍もなく滑らかだ。生粋の手品師が見たら自信を無くす様な。 「あははー。宴会には手品とモノマネが付き物だからねーぇ」 「・・・・・・・・・・・・宴会、ですか・・・・・・・・・・・・」 「そそ。もー苦労したよー。ミナト兄ぃ、そーゆう席には絶対俺引っ張ってくんだーもんねぇ」 からから笑って今度は小さな旗を出す。しかも、ぽん、という小さな破裂音と、紙吹雪のオマケ付きだ。 ・・・・・・・・・・・・忍者止めても、この人なら充分に食べていけるだろうな・・・・・・・・・・・・ 「で。聞きたい事ってなーに?」 二度目の質問に、おれはハッと、飛ばしていた思考を現実に戻した。 気持ち俯いていたらしい視線を上げてみれば。 何処から出したのか、イルカのぬいぐるみをナルトの前に置く――――――待て、イルカ!? 何故イルカのぬいぐるみ!?ソレはアレか!?おれの本名知ってるって意思表示か!? ああそういえばこの人雨眷馭の事まで調べたらしいから知ってても当たり前かって今更だが如何やってソコまで調べたんだ!? しかもでかいぞ!?ナルトと同じくらいの大きさじゃないか一体何処に隠し持っていたんだ!? 「俺に、何が聞きたーいの?」 ――――――そ、そう、だ。 聞きたい事はそんな事じゃ、ない・・・・・・いや聞きたいが。色々と途方も無く問い詰めてみたいがっ。 其れよりも、先ず。聞きたい事は。 「はたけ上忍は、『影』を知ってますか」 「んー?かげ?」 「はい。『影』を、見た事はありますか」 思い出すのは数日前の、紫の着物。 任務内容に誤りがあった、と。潜伏している賊の人数。記載されていた数十、ではなく本当は数百である、と。 故に助っ人として。赴いた己が先に標的と接触し。僭越ながら先に任務を遂行させて頂いた、と。 静かに穏やかに語った、白い能面。 「いやワザワザ聞かなくても。足元にあるじゃん、影」 「・・・・・・・・・・・・いえ、その影では無くて、ですね・・・・・・・・・・・・」 何処かとぼけた様に。だけど限りなく真剣そうにのたまうぎんいろに、がくりと肩を落とした。 「・・・・・・・・・・・・4代目の『影』、と呼ばれていた、正体不明の忍を知ってますか」 この人、実は結構な天然で何処か抜けてるから。などと些か失礼な事を考えながら。あまり期待しないでおこう、そう思いつつ。 「ああ、もしかしてヤト兄ぃの事?」 だけどあっさり返ってきた返答に。 俺はバッ!!と顔を上げた。 「知ってるんですか!?」 「うわっ、ちょっ、ちちちっ、近い近いっっ。近いって凛!!」 「教えて下さい!!その人の事!!」 「だーかーらーっっ!!近過ぎってゆーかなんで俺押し倒すのオタクはーっっ!?」 「・・・・・・・・・・・・あ。」 怒鳴られて、漸く己が勢い余って彼を本当に押し倒していた事に、気付く。 気が、付いてしまったら。顔に血が昇っていくのが、自分でも手に取る様に、解った。 「す、すみま、せん」 すごすごと。彼の上からどく。しかも思わず正座だ。 そんなおれに、ぎんいろは。まあ、いーけどね、と小さく苦笑して。 「ヤト兄ぃかー。そーいや俺もアレから見てなーいねぇ。元々神出鬼没な人だったけど・・・・・・ミナト兄ぃ、いなくなっちゃったから」 哀しみの滲む、独り言めいた呟きと共に。ぎんいろは、畳の上にぱたり、と手を落として。 おれは、く、と唇を噛んだ。 |
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