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空が、とてもとても近いトコロにある、様に見える。 塔の麓にアルビオールを降ろして。 上がって、のぼって。最上階にまで、上がって。 昇り始めた太陽が、薄く色付く紫の大気を照らし・・・・・・薄い、菫の花を思い出した。 「あの白髪死神、良くコレだけ集めたな」 「・・・・・・いやディストは白髪じゃなくて銀髪・・・・・・」 「いやでも年齢的に白髪交じってても可笑しくないだろ」 「いやまーそーですが」 ディストにはちょっとカワイソーだな、みたいな事を言いながら。 広場の様に開けたその場所に、水晶みたいにキラキラ輝く沢山の音素の結晶を見渡す。 でもホント、良くコレだけ集められたモンだ。前々から準備はしてたんだろーけど、こんな短時間で約1万人分なんて。 しかもローレライ解放からこっち、第7音素の減少が予想より速くて集めんの困難だったハズなのに。 「ま。でもこんだけあったら」 「けっこー楽に瘴気の浄化、出来るかも、だね」 不眠不休、ゴクロウサマですディスト。もーそんな若くもないのに無理させてゴメンねディスト。 今度会ったら、充分に労わってあげちゃおう。 ――――――とか思いつつ、実際2度と会いませんが、ね。 「さて、やるか」 「ん」 差し出されたの手に、手を乗せる。 そのまま、エスコートされるみたいに、広場の中心までやってきて。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと待った、」 「んだよ?・・・・・・・・・・・・って、マジかよをい・・・・・・・・・・・・」 ひく、と口元をひくつかせながらそろりと後ろを振り返ったあたしに、もまだ呆れた様な呟きを零した。 何故かって? そりゃアナタ・・・・・・この、下からすんごいイキオイで上がってくる気配。ひとつ、ふたつ、みっつ・・・・・・全部で、8つ。 ディストに、アスランさん。導師とアリエッタとシンクとアニス・・・・・・ギンジに、そして。 「アッシュ!!」 乱れた息をそのままに、階段を昇り切ったルークは、悲痛な声であたしを呼んだ。 「・・・・・・・・・・・・ちょっと。あんたエンジンバラしたってゆってなかったっけ。」 「・・・・・・・・・・・・ああ、確かにバラした・・・・・・・・・・・・筈なんだけど、な」 引き攣ったままのあたしに、もうーわーって顔でゾロゾロ上がってくる人達を見る。 「なん、て事っ、してくれるんすか!?オイラのアルビオールッ、勝手に動かしてっっ!!」 そんな中、ルークの次に上がり切ったギンジが、ぜぇはぁいいながら吠えてきた。 「しかもノエルのアルビオールのエンジンまでバラして!!まあアレくらい壊れたウチにも入んないっすけどね!!」 そーかもっと細かくバラせば良かったのか。 ちょっと遠い目でそんな事を考えてる間にも、ぜぇはぁ言いながら上がってくる人達。 最後はディストでした・・・・・・この高さをよく頑張ったね中年。 「きぃぃいいい!!誰が中年ですか誰が!!」 「。声に出てる」 「あ、思わず」 「思わず、ですってぇぇええええ!?!?」 「うっさいよディスト!!」 「まったくだよ!!ホントの事なんだからいちいち気にしない!!」 「です!!静かにするです!!」 「男のヒステリーは見苦しいですよ?」 ・・・・・・・・・・・・うーわー。お子様達ひどーい。ディストが青い縦線背負っちゃったじゃないか。 「・・・・・・いや寧ろキッカケ作っておきながら他人事の様にスルーして今まさに笑いを堪えてるの方が酷いと俺は思う」 気にしちゃダメだよ。 ディストのヘコミっぷりにくつくつ肩を揺らしてるあたしの視界の端で。動いたのは、アスランさんだった。 「・・・・・・貴方方は、何故・・・・・・何故、こんな事をしたんですか」 「――――――ああ、そうでした。アッシュ・・・・・・いえ、。貴方、一体何を考えているんです?」 「そっちのソイツだって言ってたろ。アンタはもうローレライの同位体じゃないって。アンタ達がココに来たって、何も出来ないじゃないか」 続く様に導師が。シンクが。鋭い視線をあたし達に向ける。 そんな彼等に、あたしとは顔を見合わせ。そして。 「だって、ルーク坊やが瘴気の中和をやったら。ルーク坊やは死ぬんだろう?」 「生まれてまだ7年しか経ってない子供が、古人の負の遺産の所為で」 「でもルーク坊やには死んで欲しくない。ソレがの願いだ」 「お坊ちゃんには生きていて欲しい。ソレがの望みだ」 「「だから、」」 「「宝玉が愛でし魂に、祝福を」」 笑った。 |
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おねにーさまと守護者は、レムの塔の魔物を殲滅させながら上がってきたのですが。 その所為か、お坊ちゃん達は、魔物の出て来なくなった塔を上がってきたのです。 そして追い付かれる。 |
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