だいぶ遅い時間帯まで飲んでたけど。

使用人さんが持ってきたワインとブランデーの2本が空っぽになると、自然とお開きとなった。





んで。





一夜明けて、向かった先は謁見の間。

・・・・・・・・・・・・てゆーか、なんであたしこんなトコにいるんだろー。

いえオヒメサマとツインテールと桃色っ子に引っ張られて来たんですがね。

しかもお坊ちゃんの差し金で。





どーやら、男はダメでも女の子に触られるのは大丈夫だと気付かれた模様です。

ぅぅう。ますます逃げ辛くなった。





そんな心の中で泣いてるあたしの事なんて目もくれず。

王サマ含め皆さん今後の話し合い。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから、なんであたしココにいんの。





「・・・・・・セントビナー周辺に崩落の兆しがある、との報告を受けております」

沈痛な面持ちで、ゴールドバーグ将軍が進言する。

「確か・・・・・・あの辺りを支えていたのもアクゼリュスのセフィロトツリーですからね」

同じ様な表情で相槌打つのは被験者イオンだ。





あーそーですねー・・・・・・・・・・・・あたしがココにいる意味あるんだろーか。





「一番良いのは、崩落する前に全部の外郭大地を降下させる事だけど」

あっけらかんと、実際やろうとするとすんごい大変な事をシンクが言って。

「・・・・・・だが、そうするにはまず内郭大地の液状化と瘴気をどうにかしなければなるまい」

うーむ、と王サマが悩んで唸る。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたしどーしたらいーんだろー。





「陛下。その件に関しては、此方のディスト響士に協力を仰いでおります」

公爵サマがサラリと黒スーツの上に白衣着た研究者さんを紹介した。

「ええ。大地の液状化を停止させる装置の方は、8割がた完成してますよ」

て、え。良く見ればホントに死神さんじゃん。何時バチカルに来てたんだこの人。





――――――・・・・・・・・・・・・うん。ホントにぶっちゃけ、あたしこの場に要らないとか思わない?





なのにあたしの考えを読んだのか。

アリエッタはぎうっとあたしの腰に回した腕に力入れるしアニスあたしの手掴んで離さないし。

ちょっと遠い目をしたっておかしくないハズ。





アイビィは説明をする為に、シンクとアニスと一緒に一度ダアトに戻る事になって。

オヒメサマは、今後の混乱防ぐ為に、国民さん達に説明する為にキムラスカに残る事になって。





トントントン、と。話が進んでいくのは良い事です。

良い事、ですが。





マクルトへの報告は少将さんと、ソレからピオニー陛下の幼馴染だからって理由でディストが行く事になった。

大地降下の下準備でセフィロトツリーを巡るのに、超振動のコントロールもばっちぐーなお坊ちゃんが行く事になって。

ツリーの元へ行くにはダアト式封呪で封印を解かなければならないから、て被験者イオンが同行するって言い出し。

その2人の護衛に辺り前に抜擢されたのは使用人さんとアリエッタ。

ユリア式封呪を解く為にティアも同行で。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから、あたし要らないじゃん。





なのに何で、万が一、とかってあたしもお坊ちゃん達に同行?

アクゼリュスが崩落しなかったのはあたしの手柄だからって・・・・・・いえいえムリむり絶っっ、対無理。

もー2度と出来ませんあんなの。





しかもまるでこーなる事が解ってたみたいに、何故かスタンバッてましたギンジとノエル兄妹。

公爵サマがベルケンドに手を回して借り受けたらしいですアルビオール。

コレでセフィロトツリーを回るんだと。





更には回った先々で、ユリア式封呪を解除するたびにティアの体内に蓄積されていく瘴気。

ザオ遺跡とシュレーの丘、ロニール雪山にアブソーブゲートと。4つ解除した時点で倒れました。

残りのザレッホ火山にメジオラ高原、タタル渓谷は、何代か前にフェンデ家の血が混じったっていう使用人さんが引き継いでくれたけどね。





・・・・・・・・・・・・原作と違って、今回瘴気障害者が2人だ。

しかもあたしが持ってた『エリキシル』は、あたしが倒れた時にアニスが使ったので最後。

『エリキシル』とは違って数の多い『ポーション』をどかどか使ってるけど、コレだけじゃ瘴気の中和は出来ない。

『三千世界の復元』を使って浄化をするには、あたし自身がまだソコまで回復してないしね。





そんなこんなで。体調だましだまし、やってきました最後のセフィロト。ラジエイトゲート。

途中少将さんが、ピオニー陛下の勅命だとかで合流して。

死神さんも、装置が出来ましたよー、てタルタロス持って来て。





もー早いトコ終わっちゃえばイイのに、なんて思ってた――――――矢先。

あたし達の前に立ちはだかったのは、魔弾と黒獅子、だった。






























つめこんだー。つめこんだー。

この辺りはホントにサクサクっと。






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