もーココまで来たら抜け出せないんだろーなー、とは解っちゃいたけど。

やっぱりあたしがダアトに戻れる機会は無かった。

・・・・・・コレはもう、諦めるべきなんだろーか。原作本編の軸の中に組み込まれるの。





「アニスの事、宜しくお願いしますね」

「解ってる。傷ひとつ付けないよ」





緑っ子2人がそんな事言ってるのを、どっか遠い目しながら眺める。

・・・・・・ただ見てるだけならカワイイ2ショットなんだけどなぁ・・・・・・





原作通り、お坊ちゃんは和平の条件であるアクゼリュスの救助に、親善大使として立った。

その彼の傍らには、外交なんてホボ初体験なお坊ちゃんの補佐をする為に、金髪の女性――――――この国のオヒメサマがいる。

なんかすっごい剣幕で正論打ち立てて、お前は行っちゃいかーん!てゆー王様をぐぅの字も出ないくらいやり込めたらしい。

・・・・・・・・・・・・この世界のナタリア殿下はすんごいやり手だって聞いてたけど。こーゆー正攻法で着いてくるとは。





んで。この2人の王族の護衛としては。

実は守護剣士だった使用人さんと、2人を命掛けて守る事で免罪してやるって言われたティアが同行。





導師は1度、ダアトに戻る事になった。

自分は仲介役で、コレ以降は2国の意向に任せる、て言って。

でもアクゼリュスにはローレライ信者も多くいるし、、見届けも兼ねてアニスを導師代行として連れてってくれ、てなった。

その護衛に抜擢されたのがシンクで、冒頭の会話、て事になるんだけど。





マクルトからは、やっぱり少将さんが付いてくる事に。

今回は少将としてじゃなく、皇帝の名代だからって事で、トーゼンこの人にも護衛が着く事になったのですが。





・・・・・・・・・・・・何故ソレにあたしと水主が抜擢される。





まあ解るんだけどね。

少将さん強いから少将さんと同じくらい強い人間でないと護衛なんて務まんないなんて解ってるんだけどね!!

何故その強い人がマクルトの精鋭さん達の中にいない!!

そして何故あたし等に白羽の矢が立つ!!





しかも今回、色々思惑こんがらがってるときたもんだ。

なんか預言に戦争勃発が詠まれてるからって、ホントに戦争起こしたい豚樽の横槍とか。

のらりくらりしてばっかなてんてーの尻尾今度こそ掴みたいとか。





だから親善大使一行のアクゼリュス行き、ルートや人員なんかは極秘事項。

原作通り、尻尾出すまで泳がしとこうてなったてんてーを海ルートで大詠師派に対する囮にして、陸ルートを行く事に。





・・・・・・・・・・・・やだようあたしアリエッタの代わりに導師の護衛でダアト帰りたいよう。





なんて泣いても上司命令には逆らえない。

だからあたしは開き直る事にした。

ああイヤだイヤだ中間管理職(何回目)、てのはとーぶん考えない方向で。





ソレに、原作物語ではこの先大きく動いた。

大地の毒。アクゼリュスの崩落。堕ちて逝く、人。

もしてんてーがほぼ原作通りの思考の持ち主だとして、やろうとしてる事も同じだとしたら。

尻尾掴むどころか問答無用でお縄頂戴確定だ。コレを逃す手なんてあたしにはないさ。





――――――問題は。どーやって崩落する前にふんじばるか。





てんてーはハッキリ言ってあたしを信用してない。魔弾や黒獅子に伝えてる計画を、あたしに話してないのがイイ証拠。

あの人、計画を遂行する為の部下や仲間としてじゃなく、駒としてあたしを見てるから。

・・・・・ソレナリに懐いてるフリはしてたんだけどね。うーん、もっと預言憎し!!てアピっとくべきだったかあたし。





ソレに、外郭大地を支えてるっていうセフィロトツリーの耐久年数が何時まで保つか解らないし。

ユリアの秘預言、多分そーゆー意味も、込められてるんじゃなかろーか。

『ローレライの力を継ぐ若者』が『力を災いに』しなくても、多分アソコは落ちる。近い未来に確実に。

2千年動き続けてきたってんだから、もー2〜3年保って欲しい、てのが本音だけど。





まあ、ミョーなちょっかい出さなかったらもー数ヶ月くらい、保つだろう。うん。そう信じよう。

・・・・・・・・・・・・でないとアクゼリュスの民どころか今回救助に赴く兵士達までオダブツだ。





既に救助隊第1段はアクゼリュスに向かっているらしい。

時間差で、てんてーの乗った囮の船が第2段として出発した。

そして、第3段。

親善大使とその補佐と、皇帝名代と導師名代が、自分達の護衛と30人程の救助隊と共にアクゼリュスに向けて出発する。





この辺、原作とは違ってますが。何でも、オヒメサマが補佐として向かう事になった途端、慌てて編成されたんだそーな。

・・・・・・オヒメサマ着いて来なかったら名代とその護衛だけで行けと言うつもりだったらしい。

救助隊派遣て、親善大使て銘打っといてそれはどーなの。

まあ、落ちると解ってる場所にむざむざ国の戦力を死なせに行かせるなんてアホウな事はあたしだってしないけどもさ。





よくよく考えてみれば、すんごい穴だらけの原作だったとイマサラ再確認。

あたしはでっかい溜息吐いて、動き始めた隊列に加わった。





・・・・・・・・・・・・さて、ホントどーやっててんてーふんじばろう。






























この辺りのシーン、救助隊の少なさがすっごい印象に残ってます。

陛下は秘預言知ってたからこそ、ナタリア行かせたくなかったし親善大使一行に兵士も付けなかったんだろうけど。

救助に行くのに、6人だけなんてありえなくね?アクゼリュスに残ってるのって万超えるんでしょ?て思った記憶が。

あ。ちなみにココのオヒメサマも捏造入ってます。髪も目も王家の色を持たないってコンプレックスで、でも誰よりも王族であろうとして。

貴族の表も裏も見て、ルークと一緒に行政とかのお勉強して。今では若いながらも立派な施政者です。

ルークに約束思い出せも言いません。てゆーか、記憶喪失者にそんなん言ったらダメっしょ。精神的負担でかいっしょ。






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