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あたしが固まってる間にも、事態はあれよあれよという間に進んでいった。

アリエッタがフレスベルク呼んでグリフィン呼んで。別ルートでアリエッタ探してた水主が合流して。

ハッ、と気付いた時には既に空の上。





・・・・・・うん。正直に言おう。フレスベルクは怖かった。





だって長時間ずっとぶら下がりっぱなし!!安定悪い!!腕しんどい!!何より落ちたらオダブツじゃん!!

ちくせう!!シンクとアリエッタがグリフィンに跨ってんのはそーゆー理由か!!アンタ等ほんっとにあたしの事嫌いだな!!

目的地に辿り着いて地面に降りた時には、心底生きてて良かったあたし!!て思ったよ!!





「――――――それにしても、見事に全焼・・・・・・・・・・・・ココまで来ると、壮観、だな」

ぐるり、と辺りを見渡して水主が呟く。

「ママ!?ママ、どこ、ですか!?」

グリフィンから降りたアリエッタがパタパタと走りながら大声で呼んで。

「落ち着きなよアリエッタ。まずは生き残った動物探して、ソイツ等から何があったか聞こう」

シンクが追い掛けながら、アリエッタに言い聞かせてる。





あたしはてくてく歩いて、森だった時の名残の『な』の字もないくらい真っ黒焦げの地面を歩いた。

その中で、最も炭化の激しい場所を見つける・・・・・・まだ熱気がこもってて、ビミョーに熱い。





「どうやら出火場所はこの辺りの様ですね・・・・・・未だに、火の気配が燻っている」

「風もだ。興奮が冷めきっていない。大地は・・・・・・ああ、コレは可也の痛手だった様だな。疲弊しきっているぞ」

「逆に水の気配は全く無し、ですか。本当に、見事としか言い様がありませんねココまで来ると」





コレだけの大きさの森がまるっとひとつまる焼けなんて。今後を考えると胃が痛くなりそう。

だってこの森にはたくさんの生き物がいたハズだ。鳥、獣、小動物。色んな命を、内包していたハズなんだ。

しかも、ココがホントにアリエッタの母親のいた森だったとしたら。魔物だって、その色んな命、の中にいたハズで。

・・・・・・・・・・・・あ。そーいやその辺まだちゃんと確認してなかった。





「アリエッタ響手、この森には本当に、貴方の母親が住んでいたのですか?」

・・・・・・・・・・・・うん何でただ確認しただけなのに睨まれるかなあたし。

「・・・・・・っ、住んでた、もんっ。間違い、ないっ、んだからぁっ」

あーはいはい解りましたー・・・・・・・・・・・・けど、そーか。ココってホントあのライガクイーンが住んでた森なのか。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、事は。

原作開始までもー数ヶ月もないぢゃないか!!カウントダウン入ってんぢゃないか!!

そりゃ確かにもーすぐ肉体年齢17歳だけど!!もーちょっと先だと思ってたのに!!





思わずでっかい溜息を吐きたくなった時だ。

ぴーひょろろ、と。頭の上で鳥が鳴いた・・・・・・そーいやあの鳥、さっきからずっと旋回してる。何で。

アレ、アリエッタのお友達じゃないよね?だってどー見てもふつーの鳥。伝書鳩みたく、人に慣らされてるワケでもない、野生の鳥だ。

この森に、住んでいた鳥なんだろうか――――――変わり果てた住処だけど。離れ難い、んだろうか。





ちゃり、とあたしはポケットからピアスを取り出した。翡翠色の、勾玉の形した石の、アメリカンピアス。

以前、何処ぞの発行体から貰った首飾りを、夜刀が手直ししたモノだ。あたし的には首飾りのままでも良かったんだけどね。

ソレを耳朶に着けて。耳を澄ます。





――――――その勾玉が言葉に変換した鳥の声は。住処と、番いと。もう直ぐ生まれてくるハズだった雛を失ったという、嘆きだった。

しかもその鳥だけじゃない。目を閉じれば其処彼処から。色んな命の色んな嘆きが。痛みが。悲鳴が。寄せては返す波の様に絶え間なく。

・・・・・・・・・・・・そう。コレだけの、声が。こんなにも沢山の、声の主が。住処を失くして路頭に迷っている。





迷ったモノ達は何処へ行く?・・・・・・・・・・・・そんなの、解るハズがない。そんな簡単に、直ぐに新しい住処が見つかるハズがない。

例え見つかったとしても、元々その地に住んでいたモノ達との間で諍いが起こるだろう。

生態系だって変わってしまう。草食動物に芽を食われて森が枯れる、獣に小動物が駆られて全滅、なんてのも起こり得る。

たかが森ひとつ。されど森ひとつ。焼失が及ぼす影響はバカでかい。





ソレに、ライガ。アリエッタの母親。

原因のチーグルへの制裁も兼ねてたんだろうけど、人の領域に近い処に移動したばかりに、人の都合で、殺された。

――――――あたしは、アレを。見過ごせない。





「・・・・・・・・・・・・ワルター」

「却下」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・未だ何も言ってないんですが」

「言わずとも大体解る。却下だ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





ちらん、と伺ってみると、水主は眉間に皺を寄せてあたしを睨んでた。

あたし達のやり取りに、アリエッタとシンクがちらちらコッチを見てるけど、この際ソレは気にしない方向で。

実力行使、やっちゃいます。





「ワルター。サポートお願いします」

「っ、却下だと言ってるだろう!!」

「では命令だ。水を呼んで、鎮めと癒しをこの地一体に。ソレくらいなら出来るだろう?」

「~~~~っっ!!っ、ココでっ、そういう言い方をするのは卑怯だぞっっ!!」

「ココで使わず何時使う」





に、とあくどい笑みを浮かべ、あたしはきっぱり言い切る・・・・・・命令、て言われたら拒否出来ないんだもんねー基本。

ギリギリと歯を食い縛ってた水主は、心っ底、イヤそーに集中を始めた。

うし。んじゃあたしも。





すぅ、と大きく息を吸って、吐いて。

あたしはホントに久々に。あたしが『宝玉』だというだけで使える力を。願いの謳を。紡ぎ始めた。






























この辺りのお話で、何だコイツてかっぱが思ったのはやっぱりチーグル。

人間の世界だって、放火したら重罪ですよね。ゴメンナサイで済む話じゃないですよね。何らかの罰は受けないとですよね。

だけどミュウは、コイツが犯人です、てライガに引き渡されもしなかったし、あげく盗んだモノをライガに横流ししてましたよね。

自分達で獲ってきたモノを献上するならともかく、盗品を渡すだけじゃ罰にはならんでしょう。つか余計罪の上重ね。

エンゲーブはイイとばっちりだったと思うんです。






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