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そんなこんなで時は過ぎ。





水主は無事に騎士団に入団しました。

元はケセドニア付近で傭兵やってた、って触れ込みと、実際の細剣の腕で難なく。

しかも速攻で謡長。軍の階位でゆったら下士官位。





――――――・・・・・・・・・・・・下級中級上級兵の位をあっさり飛び越していきやがった。

あたしなんか、最初はソレ以下の見習い兵士だったのに。





とか言うあたしも今じゃ響長だけどね!!

階級で言ったら水主と同じさ!!

しかも今度、響手(士官)にランクアップさ!!





「やり過ぎだ」

「・・・・・・・・・・・・う、ごめんなさい。」





人気のない。ってゆーか皆無な総本部の裏庭の端っこで。

あたしは懐いてくる黒い子猫を相手に、溜息吐く水主にへこりと謝りつつ反論を考える。





「いやでもね?コレは仕方ないってゆーかあたしだって思ってもみなかったってゆーか」

「其れでも、短時間で派手にやり過ぎだ。もう少し自重しろ。目立ちたくはないんだろう?」





み、ミもフタもない。





「・・・・・・ホントごめんって。でもあたしの気持ちも少しは理解してよ」

「・・・・・・悪かった。言い過ぎた」





あたしの重たい溜息に、水主は嘆息しながら小さく謝る。

をを。解ってくれますか。





まあだってね、何時までも腐ってる(フリを続ける)ワケにもいかないし。試せる事は全部試しちゃったし。

音素の鎖は邪魔だしてんてーの付けた見張りはウザいし思う様に状況が進展しないし。

まあぶっちゃけ。ここ2・3年でかなり溜まりまくってんですよあたしだってイロイロと。





そんなこんなで内心煮立ってたのに、また何処ぞのアホウが喧嘩なんか売ってきやがったら。

ぷっちーん、てしても仕方ないっしょ?





・・・・・・・・・・・・まあそのやり方や場所を選ばなかったのは、あたしもやり過ぎたって思ってるけど。





いやいやいや、『舞扇』とかは切り札で取ってあるし、魔術は相変わらず全く使えないんだども。

代わりに、ストレス発散とばかりに、もーすっごい譜術ぶっ放しーの剣振り回しーの、ってしたんだよ。

念や念具で身体能力とことん底上げした状態で。

随分ズタボロにはしちゃったけど、再起不能にまではしなかったんだから、そこんトコだけは褒めて欲しい。





しかも場が悪かった。

アイツ等、任務の最中に絡んできやがったのさ。

怪我や視力の事もあるからまだ無理はしちゃいけないって上官に言われて後方で控えてたあたしにっっ。





んで、ぷっちんしちゃったあたしは、なんとソイツ等と討伐対象の盗賊とを、一緒にぶっ飛ばした。

そのままのイキオイで、盗賊の残党も先陣切ってほぼ1人で蹴散らしちゃったのも、今となってはイタダケナイ。





後方待機、とか言われつつ前に出てしまった事に関しては、上官に命令違反だ、って怒られた。

だけど、命令違反をチャラにするくらいの働きと力とをあたしは見せたから、叱られるだけで済んだ。





喧嘩売ってきたヤツ等をぶっ飛ばした事に関しては、お咎めはナシだった。

アレはアイツ等の自業自得、しかも任務中に私情に走るとは何事だ!!ってヤツ等の方が降格処分なんだそうな。





ソレからあたしは、流石は総長の秘蔵っ子だと、何故かその上官さんに気に入られ。

間接的に褒められたてんてーも調子こいて、ヒマがあれば任務にんむニンム。

視力に難ありって言われてるのに、訓練でカンタビレさんから3本中1本は取れる様になって。





気付けば出世街道に乗ってました。スゴイねあたし。嬉しくないけど。





「まあでも、コレで少しは動き易くなったか」

「てんてーの監視が緩んだ分ね。代わりに士官としての義務が発生するけど」

「だが、精神的には楽になったろう?」

「そりゃもう。」





2人揃ってニッと笑い合う。

ホント、四六時中くっ付いてた護衛と言う名前の監視役がいなくなるだけで、こんなにも心が軽い軽い。





「今まで何だかんだと結局落ち着かなかったが。取り敢えず小休止、といったところだな」

「だね。ホンットばたばたしてたからねぇ・・・・・・しばらく有給でも取ってゆっくり休もうかしらん」

「ああ。是非そうしてくれ」





そんな事を話しながら。

にぃ、と鳴いた手元の子猫の頭を、あたしは笑いながら優しく撫でてやった。






























と、ゆーワケで、おねにーさま士官に昇格です。

ですがかっぱ信託の盾騎士団の階位イマイチ良く解ってません。

とりあえず、下級・中級・上級兵士の上に下士官位の響長・謡長・奏長。アニスとティアが『長』て付いてましたから。

士官で響手・謡手・奏手。リグレットとアリエッタの役職に付いてましたな『手』が。

んで、他六神将の階級には『士』が付いてたから、佐官で響士・謡士・奏士。

将官で響将・謡将・奏将。元帥の地位に導師がくんのかな?とか思ってます。






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