試験会場となる島へ行く為の船の中。 ピエロと変態は始終いちゃいちゃでれでれでした。 「じゃあ」 「おう。ちゃんと待ってろよ?」 「解ってるってば・・・・・・、ちゃんと来てよ?」 2番スタート、と言われても名残惜しそうにいちゃいちゃだらだら。 思わず「お前さっさと行けよ!!」と突っ込んだキルアの声で、ようやく動き出すくらいだ。 やっと和解して片時も離れている時間が惜しいのは解る気もするのだが、今は試験中だ。時と場合を考えて欲しい。 てくてくてく、と島の中へ入ったヒソカは、コレからの事を考える。 に再会出来て、誤解も解けて。気に入った子も見つかって。 暇つぶしで受けてみたが現時点で収穫は充分。ぶっちゃけもー試験なんてどーてもいーや、と興味を失くした。このままバックレてといちゃいちゃしてた方が有意義だよねぇ、と思うくらいには。 「あ。イイかも」 ホントにバックレてイイかな、でもやっぱり最後までいた方がイイかな、なんて考えながらてくてく歩いてたら。 背後から、近付いてくる大好きなヒトの気配。 ・・・・・・の、直ぐ後に。コレまた良く知る友達の気配。 しかもなんかピリピリしてる。こういう雰囲気はヒソカも凄く馴染みがある。 「・・・・・・・・・・・・何で戦闘?」 くるん、と踵を返し、気配の元へと走った。 そして辿り着いた、ソコではやっぱり。 「・・・・・・・・・・・・何してるの、イルミ?」 にどかどかたくさんの針を投げている知り合いに、思わず声が低くなった。 そしてヒソカの目の前で戦闘中の2人は、といえば。 ヒソカの尖った怒気と殺気に気付きつつ、双方油断無く相手を見据えながら動きを止め。 「だってコイツむかつくからやっぱり殺しとこうと思って」 「ソイツヒソカ狙ってるらしーかんな。今のウチに潰しとこうと思ってよ」 「・・・・・・・・・・・・はい?」 何だソレは。ヒソカは思わず素っ頓狂な声を上げた。 けれどそんなヒソカの事もアウトオブ眼中、2人はじりじり間合いを詰める。 慌ててヒソカは2人の間に割って入った。 「ちょ、待って。待って待ってイルミ。はボクのなんだから殺しちゃダメだよ」 「・・・・・・ヒソカがそう言うなら仕方ないね」 「も。何でイルミがボクを狙ってるってなってるのか知らないけど、そんな事実ドコにもないからね?」 「・・・・・・本当か?」 「うん本当。イルミはトモダチ。ね?」 「そうだね。他人の恋愛に口出す気は無いけど、君の恋人がソレってどーなの、とは思ってるトモダチだよ」 「・・・・・・てめぇ潰す!!マジで潰す!!」 「だだだだからダメだってば!!イルミッ、キミも口出す気が無いなら声にも出さないでよ!!ていうか余計ややこしくなるからドコかに行ってくれない!?」 の誤解を解こうとして更に悪化した。 しらっと言ったイルミに突っかかろうとするに抱き付いて押し留め、ヒソカはギンッとイルミを睨み付ける。 その視線に、イルミはアッサリ「わかった。じゃあね」と去っていった。 「あっこらてめ待て!!」 「っ、すとっぷ!!」 「けどヒソカ!!」 「誰が何て言ってもボクの恋人はだけだから!!」 ぴた。 イルミを追い掛けようとしていたの動きが止まる。 その身体に、ヒソカは改めてぎゅーと抱き付いて。 「・・・・・・他の誰でもない、ボク自身がそう決めたんだから」 「・・・・・・ヒソカ・・・・・・」 「だから誰の目も声も気にしないで。はボクだけ気にしてればイイんだよ」 「・・・・・・〜〜〜ヒソカーーーっっ!!」 「わう!?・・・ふっ、んん・・・・・・っっ」 の理性がすっ飛んだ。 ぎゅーとしてくるヒソカを力いっぱい抱き締め返し、以外に柔らかい唇に齧り付く。 ぴちゃぴちゃと、洩れる水音。文字通り喰らい付く、様なその口付けに、抱き付いていたヒソカの腕は縋り付くソレに変わって。 「・・・・・・好きだぞ、ヒソカ」 「・・・・・・ん・・・・・・ボク、も・・・・・・」 そうして、ふたつの影は、ひとつに重な―――― げいんっ。 「ぎゃうん!?!?」 「ふぇ!?!?!?!?」 ――――る、事は無かった。 後頭部を襲った衝撃に、は思わずヒソカを離して頭を抱え蹲る。 びっくりして固まってしまったヒソカは、の背後にコロンと転がるモノに目がいった。 痛がるの横にしゃがみ込んで、拾い上げる。 ソレは拳大の石で、何故か白い紙に包まれてあった。 かさり、その紙を広げてみて。 「〜〜〜〜っ、っっ!!誰だ人の頭にんなモン投げやがったヤツは!?!?」 折角のいーい雰囲気を台無しにしやがって!!と、ヒソカの手に拾われたソレを燃やさんばかりに睨み付けながらは怒鳴る。 がるるる、と唸っている辺り、犬(だから狼だっつってんだろ!?)の本性が漏れてそうだ。 そしてヒソカはと言えば、広げた紙を見て。ちょっと乾いた笑いを浮かべた。 「・・・・・・どうやら、、みたいだよ?」 「なっ!?ななななな、なな、な!?」 「ほら」 ぴらん、とにも見える様に広げてみせた紙。 ソコには。 『きょーいくてきしどー。』 「・・・・・・み、みみみみ、みみ」 「・・・・・・見てたんだろうね」 「おーまいがーっっ!!っつか何でイイトコで邪魔すんだよどんだけ我慢してると思ってんだよいーじゃねーかよ恋人どーしなんだし!!」 ごいんっっ。 「あぎゃあ!?!?」 またも飛んできた石に、沈没。 そしてコレまた石を包んでいた紙には。 『時(今は試験中)と場所(森の中)と場合(他受験者ぜんぶ入ったよ)を考えませう。青姦は上級者向け。負担が掛かるのはヒソカだよ?自重しなさい。』 「〜〜〜〜っっっっ!?!?」 声にならない悲鳴を上げ。 顔を真っ赤に熟れさせながら、ヒソカもまた沈没したのだった。 |
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おじゃまむし〜。 | ||
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