・・・・・・ち、沈黙がイタイ。 どーして誰も反応してくんないんだ?反応してよ何でも良いから!! そりゃ『風の声が聞こえる』 なんて、一歩間違えたら精神異常者以外の何者でもないって事くらい判ってますけど!! |
風来坊、嵐を持ってくる、の巻。 ~ウソじゃないよホントだよ!!~ |
「・・・・・・・・・・・・するってぇと、何か。、あんた・・・・・・・・・・・・そこらで吹いてる風の声を聞いた、と・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・先生は、自然と、会話出来ちゃったり、するワケかい・・・・・・・・・・・・?」 ・・・・・・・・・・・・ほっ。よーやっと反応が返ってきた。 今までの会話を噛み砕き噛み砕き、右目さんと風来坊が恐る恐る確認を取ってくる。 だけどやがて、風来坊の肩が小刻みに震え出し、腹心さんは明らかに呆れた、とでもいう様な表情になって。 「・・・・・・ぷっ、ぷぁっはっはっはっ!!自然と!!会話!!そりゃイイ!!いや、ホントだったら凄いよ!!」 「・・・・・・、幾ら何でもそりゃ無理があり過ぎやしねぇか」 む。信じてないですなこの2人。 「いやいや、先生も中々冗談が好きだねぇ。まあ、直ぐに気付かなかった俺も悪いんだけど。戦の事なんて、小太・・・・・・伝説の忍に調べさせれば直ぐに判――――――」 「いや、ソレはねぇ」 からから笑う風来坊を遮ったのは、筆頭さんだった。 「へ?何が?」 「小太はずっとか俺の傍にいた。ソレこそ1日と空けた事はねぇ。幾ら伝説と謳われる忍でも、そんなんじゃ3国の動向を探れる訳ねぇだろ」 「――――――へ?」 ばっさり言われて、風来坊は間抜けな顔して小太を見る。 マジですか?と目線で聞いてくる風来坊に、小太はこっくりと大きく頷いた。 「うん。こた、ずっといっしょ、いた。」 しかも。きゅ、と抱き付いて 「ずっといっしょ」 を強調する。 ・・・・・・・・・・・・何だろう。何でこのイキモノこんなカワイイんだろう。 「大体、てめぇ風来坊の意味解ってんのか。ひとつ所に留まらず何処からともなくやってくるから風来坊っつーんだろうが」 うん。その通りです筆頭さん。もっと言ってやって! 「んな根無し草の動向を逐一把握していられる程こっちは暇じゃねーんだよ。You see?」 「・・・・・・・・・・・・あ、あいしー。」 ずずい、と筆頭さんに凄まれて、風来坊はたじたじになる。 そんな主君と客人の傍で、腹心さんはむぅ、と眉を顰めた。 「・・・・・・だとしたら、あんたは何処でんな情報を仕入れてきたんだ?俺や政宗様だって知らない情報を」 「あ。ソレは俺も知りたいね。虎と軍神は何れ周知になるとは思ってたけど、覇王まで、っていうトコまではなかなか・・・・・・」 「Ah?はさっき風から聞いたって言っただろうがよ」 またもやばっさり腹心さんと風来坊の疑問を切ってくれたのは筆頭さんだった。 そのセリフに、切られた2人はポカンと口を開ける。 「――――――は?政宗様、もしや」 「・・・・・・・・・・・・もしかして独眼竜、先生の話信じてる?」 「信じるも何も。だからな」 「先生だから、って何!?何その自信!?」 「自信じゃねぇ。確信だ――――――の本職考えりゃ納得も出来る」 ふ、と。 身を乗り出した風来坊に応えていた筆頭さんが、言葉を切った。 ひどくゆったりとした動作で腕を組み、あたしへ流す様に視線を向ける。 「本職?・・・・・・そういえば、確か小田原でもそんな事を申しておりましたな、政宗様」 ・・・・・・・・・・・・あれ。そういえば腹心さん知らなかったっけ? 「え?先生医者じゃないの?」 「違う」 ぐりん、と首を回して聞いてきた風来坊に、あたしはキッパリと否定する。 ホントにキッパリだったから、腹心さんも心持ち目を丸くして。 「俺は術師だ」 「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」」 「陰陽師、ってヤツだ。しかも本物。俺が保障するぜ?」 「こたも、みたよ。せんせいのじゅつ。すごかった。」 「「はぁああ!?!?」」 サラリと言ったあたしと。に、と笑いながらすっぱり言い切って下さった筆頭さんと。それから舌っ足らずに言った小太に。 風来坊と腹心さんは、揃って素っ頓狂な声を上げた。 |
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