小太に手伝ってもらいながら怪我したリーゼントさん達をざっと診て。

ひと息吐いて離れに戻ったら、筆頭さんと右目さんと風来坊さんがいた。

・・・・・・・・・・・・なんでこの人達はこんなトコで呑気にお茶なんか飲んでんだ。こちとら一仕事やってきたってゆーのに。




 




 




 






風来坊、嵐を持ってくる、の巻。

~ナニあたしの部屋でまったりしてんのこの人達。~





 




 




 




 
「よっ、先生!お邪魔してるよ!」

「邪魔してるんなら帰れ」

「ヒドッ!!なにその切り返し!?」





ピッと手を上げてにっかり笑った風来坊に、浪花のおばちゃんなノリで言い返す。

そしたら、ずげんっ!!て感じなショック顔。

・・・・・・・・・・・・いや、そんな大げさなリアクションとらなくても。





そんな風来坊とあたしのやり取りに、困った様にオロオロするのは小太。

右目さんは何だかでっかい溜息吐いて、くつくつ喉を鳴らすのは筆頭さんだ。





「Hey、そんな尖るなよ。遠路遥々あんたを拝みに来たんだぜ、風来坊はよ」

「俺は見世物になった覚えは無い」

「・・・・・・Ah~、まあそうだがな・・・・・・おい、小太。大福買って来てるんだがお前も食うだろ?」

「!たべる!」





しゅぱっっ!!





うっわ、小太早っっ!!

なんかピンッて立った犬耳とぱたぱた振ってる尻尾が見えるのはあたしの気のせい?ねえ気のせい!?

・・・・・・つか筆頭さんいなくなってたと思ったらそんなの買ってたのか。





「うおっ、いーい食いっぷりだねぇ!お前さん大福好きかい?じゃあ団子は?」

「 (こくこく) 」

「そうかいそうかい、そりゃ良かった!手土産に持って来たんだ。此処のは美味いぞ。ほら食べろ食べろ!えーと・・・・・・」

「小太。小太郎ってんだソイツの名前」

「そっか小太郎か!・・・・・・って、ん?小太郎?って・・・・・・」

「Ah、元北条のじーさんトコの伝説の忍な。今はのAssistant (助手) だけどよ」

「えっうそこんなカワイイ生き物があの!?」





あー。やっぱり風来坊もそう思うかー。

ほんっと普段の小太ってばすんごいカワイイよねうん。

「・・・・・・風魔。団子も饅頭も逃げねぇから、もう少し落ち着いて食え」

ほら。あの右目さんですら、父性本能擽られて口元の粉や餡を拭いてやるくらいなんだから。





え?あたし?・・・・・・いやあたしだってアソコに混ざりたいとは思うけどね。

筆頭さん買って来たのって中身粒餡だし。みたらしは好きだけど3色はあんま好きじゃない。

――――――ソレに。





あたしはみんなのいる座敷でなく縁側に座る。

擦り寄ってきた牙が小さく唸って、見据えた先は笑う原色。





     『みこさま』

「――――――ん、お前はやっぱり、鼻が良いね」





なでり、と頭を撫でて、あたしも風来坊を流し見た。




 




 




 











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