あたし、お子様には弱いのかもしんない。いやまぢで。
はう。と溜息零したその先には、急遽購入したフード付きポンチョを着てはしゃいでる子供達。
ちなみに、何故フード付きポンチョなのかというと。
――――――『路地裏の猫』にフードマントは必須アイテムだろ?なんて返されたからさ。
でもお子様向けのそんなマントなんてドコにも売ってなくて、ポンチョで落ち着いたのさ。
「お揃いだね、キルア!」
「おー。ととも、だな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。まあ。
ばさばさ。くるりと。お披露目みたいにポンチョ着てる2人とも、楽しそうだし嬉しそうだからソレはソレでイイかも、とは思いますけどね。
大きいの2人とちっちゃいの2人が、揃ってこのカッコはやっぱ、ね。
周囲からの視線がイタイよ。うぅ。
ちょこっとだけ仕事を再開した日。
てなワケで。結局子供達と依頼主さんの押しに負けてやってきましたハインさんのトコ。
ハインさんは、ココラじゃちょっとおっきな事業家さん。
で、そーいった手腕はすごいのに、見た目は人の良さそうなご老人だ。
前に依頼内容をこの人から聞いた時にゃ、まぢでアナタがコレやってこいって言うんですか!?と思わず聞き返したくなるくらいには。
ホント、好々爺って感じの人だ。見た目だけ。
そんなハインさんは、子供を連れてやってきたあたし達を不審な目で見る事なく。
「やあ、これまた可愛らしい同僚さん達を連れているね今回は」
むしろ楽しそうな目で見てきた。
やっぱ変わってるよこの人。使用人さん達なんか、見るからにあやしげ〜な感じであたし達見てたってゆーのに。
「いえ、同僚ではありません」
咄嗟に否定したらムッとした視線が突き刺さった。
特にキルア・・・・・・あんたあたしの頭に穴開ける気か。
「俺の弟子の斑猫と、白猫の弟子の三毛猫です」
ちょっと冷や汗垂らしてたら、が横から助け舟。
あ。弟子って言われて気分が浮上したよ2人とも。
「ほう。お弟子さんかい・・・・・・ああ、なら、今まで休業していたのは、この子達の為かい?」
「他にも色々ありますが。ですが、この子達が一人前になるまで、仕事を再開しないのも本当です」
うん。コレはあたしの本音だ。
だって原作既に変わっちゃってるし、シルバさんに頼まれちゃったし。
引っ掻き回しちゃった以上、その責任は取りましょう?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、ゴンとキルアはうっとーしいかも、だけど。
え?子供はお金がかかるって?んなの、天空闘技場行けば何とでもなるさっ(ちょっとヤケぎみ)。
ぽん、とキルアの肩に手を乗せたら、あたしをしばらく見上げてた彼は、きゅ、とあたしの腕に両腕絡めてきた。
お?おお?甘えたがり発動ですか?
よっしゃドンとこいあたしは何時でもオープンさ!!
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
あっごめんなさい自重しますだからアレだけは・・・・・・って。
だって、腰にゴンひっ付けて、マンザラでもなさげじゃないか。
(うんだってカワイイから。でもの煩悩聞いたらこの子達絶対引くよ?)
う”っっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・や、やっぱりごめんなさいでした。
(解れば宜しい。)
今回もに完敗です。
うぅぅ、って心ん中で泣き真似してると、あたし達に抱き付く子供達を見てたハインさんが目を細めた。
「そうかい。良かったねぇ君達。こんな良いお師匠さんに巡り合えて」
そんなハインさんのセリフに、元気よく「はいっ」て返事を返したのはゴンで、小さく頷いたのはキルア。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダ、ダメだ。やっぱカワイイ。
くぅっ、出来る事ならぎゅーってしたい!!すりすりしたい!!
だけど我慢だあたし!!負けるなあたし!!
こんなトコで某ピエロとおんなじ変態のレッテルをのみならず子供達にまで貼られるワケには!!
「・・・・・・ああ、でもそれじゃあ、今回の依頼はやっぱり受けて貰えないのかな?」
・・・・・・はっ。いかんいかん。ハインさんの存在まで忘れるトコだった。
落ち着け〜。落ち着くんだあたしの妄想〜。はい深呼吸〜。吸って〜。吐いて〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、よし。
「・・・・・・いえ、今回は謹んでお受け致します。この子達にも、良い経験になるでしょうし」
「良いのかい?・・・・・・しかし」
うん。まだ2人は子供だって言いたいんでしょうが。
そこらのゴロツキなんかじゃ比べモンにもなりゃしませんよこの子達。
「以前の様な内容でしたら考えましたが。今回は警備、ですし」
がゴンの頭を撫でながら言う・・・・・・うん。確かに前みたいな依頼内容だったら断固拒否ってましたよあたしも。
「其れに、この子達は2人ともハンターライセンスを収得していますから、邪魔にはなりません」
この年で既にハンター。ある意味誇れる事だコレは。いえ、実際胸張って言いましたが。
そんなあたし達の言葉に、ちょっと目を丸くしてこの子達が、と呟いたけど。
「さすが、君達のお弟子さんだねぇ」
朗らかに笑ってくれて、あたしはちょっと背中がムズ痒かった。
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