で。ソレからどーなったのかと申しますと。





さん、さん。どうかキルアちゃんを宜しくお願いいたしますわね」

・・・・・・・・・・・・さっきから、延々とキキョウさんにその言葉ばっかり言われてます。

しかもキキョウさん、ソレ言った後は必ずキルアに抱き付く。

「いい、キルアちゃん。寂しくなったら何時でも帰ってくるんですよ?」

「あーもーっ、分かったってば」

そんな悪態を吐くキルアは呆れ半分、恥ずかしさ半分、って感じだ。





そんな事をずっと繰り返して、ようやくゾルディックの敷地を出たのはお昼過ぎ。

・・・・・・午前中にはもう出られる準備万端だったんだけどね。

まあ、何はともあれ。コブ付きで新しい門出を出発です。




 




 




 





 
ちょこっとだけ仕事を再開した日。




 




 




 




 
「コレからどーすんだ、?」

あたしの片腕にまとわりつくキルアが聞いてくる。

「キルアのお父さん、達がオレ達の先生になってくれるって言ってたけど」

と手を繋いだゴンが、続けて。





「んー。俺等もどーしよっか考え中」

「予想外だったからなぁ。まだ思い付いてないんだ」





と2人して苦笑しつつ、ぽんぽんと互いに懐く子供達の頭を撫でる。

そんなあたし達に、キルアは「頼りねーの」と呟き、ゴンは「そっかぁなら仕方ないね」と返す。

・・・・・・・・・・・・うん。性格の差がにじみ出てますな。

ゴンは素直でカワイイし、キルアもその生意気さ加減がカワイイよ。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でもやっぱりちょこっと報復しとこ。





「頼りないって心外だねキルアちゃん」

きゅっ、と鼻を摘まんでやる。

「いっ、いひゃひゃひゃっ、いへーよ!!」

バタバタと腕を振ってあたしの手を払ったキルアだけど、抱き付いてるあたしの腕は放さない当たり、やっぱカワイイよ、うん。





おーいてぇ、と鼻を押さえて涙目になってるキルアに満足。

ゴンが笑ってキルアに睨まれて、そんな子供達とあたしを見ても楽しそう。

と。ソコに。





PIPIPIPIPI・・・・・・





ん?この機械音は。

「あ。悪い俺だ・・・・・・はい」

懐から、携帯を取り出してが電話に出た。

何だろう、って思って子供達と一緒に首を傾げる。





携帯は、『路地裏の猫』だった時にだけ使ってた。

だってあたしとは思念で会話できるし。

プライベートなお付き合いをしてるオトモダチもいないし。

だからぶっちゃけ、あたしの携帯は仕事をしなくなってからずっとポーチの中だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そこ。サミシイ人生なんだね、なんて突っ込まないよーに(誰に釘刺してんの)。





「・・・・・・いえ、俺達はもう・・・・・・え?ええ、ええ・・・・・・少し、待って頂けますか。俺1人では決められないので」

なんか深刻そうに眉根を顰めてたが、電話口を手で押さえてあたしに向き直った。

「白猫」

――――――あ。なんかヒサシブリその呼び方・・・・・・って事は?





「仕事、どうしてもと言うんだが」

ああ。やっぱり。

いるんだよねタマにコッチはもうやってないってゆーのに繋ぎを付けてくる人。

「誰」

「蒐集家のハイン氏。活動時、5度程依頼を請け負った」





・・・・・・・・・・・・ああ、あの人ですか。

何時も何時も、伝説のなんちゃら~とかほにゃらら~とか、マユツバもんの物品を指定しては、探索・ゲットさせた。

またどっかの巨大海洋生物の腹ん中に行って来いとでも言うつもりかあの人は?

ソレともまた魔獣ひしめく辺境地まで赴けと?





「今まで集めた蒐集品の展示会をするそうだ。今回は其の警備を頼みたい、という話だが」

「・・・・・・・・・・・・其れは、俺達で無くても出来る仕事じゃないのか」





てゆーかぶっちゃけメンドクサイ。

ソレに、警備って仕事は・・・・・・アレ思い出すし。

だから視線で断ってよってに訴える。

も確かに、なんて呟いて、キャンセルの旨を伝えようとしたんだけど。





、受けねーの?何で?」

いや、何でって言われましてもキルア。

「はいっ。オレやってみたい、その仕事!!」

いやいやそんな元気に発言されてもゴン。





「そんな簡単に言うけどなゴン、キルアも。コレは仕事、の依頼なんだぞ?」

ちょっとお使い程度のレベルじゃないんだから。下手したら死ぬ事もあるんだから。

「分かってるよ、そんな事」

「オレ達だってハンターになったんだから」

・・・・・・・・・・・・う。ま、まあソレはそーなんだけどもね。





「てなワケで。俺三毛猫ね」

「あ。じゃあオレ斑猫がイイ!!」

考え込んでしまったあたしを尻目に、子供達は既にやる気マンマンだ。

てゆーか何その呼び名は!?





「・・・・・・あ、あのね、キルア、ゴン・・・・・・」

「え。ダメかな。斑猫。」

「三毛猫カワイイだろー?」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お願い。この子ら止めて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

に止められなきゃ俺にも無理)

――――――・・・・・・・・・・・・あ。やっぱそーですか。がっくし。




 




 




 










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