やってきました最終試験会場。

ソコはハンター協会が運営するホテルに用意されたリングだ。





あう~。どうしよう~。ついイキオイで本音言っちゃったからなぁ~。

変態とは絶対当たりたくない~。ハリセンボンもイヤ~。

だからといってゴンとかキルアとかクラピカとかレオリオとかもイヤだし~。





なんて考えは杞憂でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・てゆーか、コレもコレでイヤンな組み合わせだよあたし的には。

「まあ、こういう事もあるさ」

そう言って、はあたしの目の前で、『双牙』を抜く。





――――――・・・・・・・・・・・・しかもあたしvsの試合が1番最初って、一体ぜんたいどーゆーコトさ。




 




 




 





 
最終試験に臨んだ日。




 




 




 




 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。降参しても、良いか」

「そんなの駄目に決まってるだろう、?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何故」

「俺が面白くない。ソレに良い機会だ、ドレだけ腕が上がっているのかを見るには、な」





ホンットーに心底から楽しそうにのたまってくれるに、あたしはでっかい溜息を落とす。

視界の端ではゴンが「どっちもがんばってー!!」とか声援を送って下さるし。

じーさま含む他の人達は、興味深そうにあたし達を見ている。





あたしはもっかいでっかい溜息を吐いて、『舞扇』を抜いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハラ、括ろう。

右側をばさっと胸の前で開いて、左側はそのまま、背中に持っていく。





ソレを見て、とん、とが地を蹴った――――――と思った次の瞬間には思いっきり距離を詰めて――――――

ぎぃん!!

掬い上げる様な斬撃。あたしは半歩身体をずらして、背に付けていた扇で止めた。

と同時に、右の扇を思い切り薙いだ。そのままくるりと回りながら左の扇も開いて遠心力で斜め下から上へと薙ぐ。





再び出来た距離。あたしの立ち位置は変わらず、だけど両の扇を全開にして。

楽しそうなが、捻りまで加えて『双牙』を繰り出してくる。何度も何度も。

あたしは、ソレを捉え、たまにカウンターを繰り出して、ことごとく防ぐ。





「・・・・・・・・・・・・凄い、綺麗だね、2人とも」

「・・・・・・・・・・・・ああ。なんか、戦ってるハズなのに、舞ってーの?そんなん見てる気がする」

耳が、ドコか遠くに離れたみたいなゴンの呟きと、ソレに答えるキルアの声を拾った。

つか、綺麗ってなに。舞ってなに。あたしは今、コレ以上ないくらいに真剣に戦ってるんだよ!!

「・・・・・・・・・・・・2人の言いたい事も何となく解るが・・・・・・私には、彼等の動きを追うのがやっとだ」

「・・・・・・・・・・・・アイツら、本当に人間なのかよ」

って、何さ失礼だねレオリオ!!人間だよコレでも!!まだ!!





「気を反らしてると隙が出来るぞ」

「っ!!」

がぎぃん!!

・・・・・・っはー。アブナいアブナい・・・・・・つかあんた今本気の本気で踏み込んできたでしょ!?

あたしがあんたに勝てないの解ってて!!そっちがそーくるならあたしだってねぇ!!





「炎に踊る精霊よ!!」

「なっ!?」

「集いて鋭利なる鏃と化せ!!」





の目の前で火矢となった魔術を、あたしは扇ごと腕をぶんっと振ってに嗾けた!!

「っ、風遁、疾風壁!!」

だけど火矢はの忍術が起こした風で、あっさり霧散する――――――だったら!!

「永久凍土に住まう乙女の息吹 音無く地を這う蔦と成れ!!」

瞬間、あたしの足元から奔る氷の蔦――――――捕まってしまえそのまま!!

「地遁、剥土!!」

なのにコレも、は土で止めてしまった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちっ。やっぱダメだったか。





「行き成りコレはちょっと卑怯だろ!?」

喚きながらも突っ込んでくるの剣を受け止めながら、あたしも負けじと怒鳴り返してやった。

「いーいじゃないかコレっくらい!!力じゃお前に敵わないんだから!!」

「腕力だけだろ!?速さはの方が上だろ!?」

言い返すかコイツ!!





「腕力だけじゃないやい!!体力持久力もだい!!――――――風よ此処から吹き荒れろ!!」

「こちとら瞬発力と動体視力はお前に敵わないのに!?――――――火遁、劫火柱!!」

「うるさいやいっ。だいたいっ、パワーファイターなお前に真っ向勝負で俺が勝てるワケないだろっっ――――――怒れ大地に住まう幾万の魂!!」

「んなコト言ったら俺だってっ、スピードとカウンター重視のお前との相性は悪いんだっっ――――――水遁、溢河静!!」

「本気で打ち込んでくんな!!『舞扇』折れたらどーしてくれる!?――――――澄み渡る明光よ!!」

だって本気だろ!?俺の『双牙』が刃毀れしたらどーすんだ!!――――――闇遁、帳砕!!」





ぎゃいぎゃい喚き合いながら。がきんがきんと鍔弾き合って。どかんちゅどんと魔術忍術オンパレード。





・・・・・・くっそう。息上がってきた。

だけど今日は。今日こそは!!

「ぜっっっっ、たい!!から1本取ってやる!!」

「ぜっっっっ、たい!!には取らせないからな!!」

宣言したら宣言し返された。

くぅうっっ!!ム・カ・ツ・ク~っっ!!





「かわいくないぞ!!」

「お前だって今はかわいくないぞ!!」

「今はってナニ今はって!?つかいっつも俺んコトかわいいって思ってんの!?」

「正確には天然でかわいい、だ!!」

「はいぃ!?天然!?今天然って言った!?俺のドコが!?」

「隙有り!!――――――土遁、縛砂!!」

「うわっちょっ――――――っっ!!」





思わず状況忘れて突っ込んでしまった。

そしたらの砂に足を取られてしまった。

そして、とん、と肩に置かれる刃物の感触。





「んっふっふー。あーいむうぃなー。」

「・・・・・・・・・・・・ちっっっ、くしょぉおうっっ」





にぃんまり笑って言うに、あたしはぎりぎりと歯ぎしりをした。




 




 




 










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