「298番、、第三試験通過第3号、所要時間8時間19分!」





高らかとスピーカーに宣言されたあたしは、試験中の憂鬱をこれでもか!!ってなくらい引き摺ってたんですが。

次の瞬間には、そんなん宇宙の彼方にぶっ飛びました。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だって、いま、さんごう、って。





イヤ~ンな予感を抱きつつ、そろ~っと室内に視線を流してみれば。

ぎゃあ!!なにゆえロッククライマーさんいないのにピエロとハリセンボンいんの!?




 




 




 





 
1人で困難を乗り越えた日。




 




 




 




 
出口付近で一瞬固まってしまったあたしは、ソレでも何とか何事もなかったかのよーに動き出す。





変に動揺を見せるなあたし!!目ぇ付けられたら終わりだあたし!!

・・・・・・・・・・・・って、既にどっちにも目ぇ付けられてんじゃないかぁぁあああ!?!?

くっっ!!だけどソレっくらいでめげていちゃダメだ!!

諦めるな!!諦めたらホンットーに何もかもが終わる!!





そんなこんなが頭ん中ぐーるぐる。だけど何とか表面には出さず(サスガ直伝の鉄面皮!!)。

目指した壁際。しかも、ピエロからもハリセンボンからも離れた場所に無事辿り着いて、背中を壁に預けて。

ココでようやく、ちょっと一息。





・・・・・・・・・・・・はっ。いやいやダメだ。まだ気ぃ抜いちゃいけない。

なんたって相手はあの戦闘狂と暗殺一家長男。何をしでかすか解ったもんじゃない・・・・・・特にピエロ。





腕を組んで、寄るな触るなちょっかい出すな!!オーラを全体から醸し出す。

この2人相手に、どんだけ効果があるか解らんけども。ナイよりマシだ、うん。

・・・・・・・・・・・・だけど、この状態があと2・3日、って・・・・・・・・・・・・





ずーんと気が重くなって、思わず俯き加減に溜息を吐いた時だ。

なんか浮ついた足取りが視界の端に引っ掛かった。

――――――無視だ。何があっても絶対に無視!!





「髪の毛染めたんだ◇目は、コンタクトかな?とっても良く似合ってるよ☆・・・・・・にしても、随分ご機嫌ナナメだね、白猫◇」

「えっホントに白猫なの君?」





ピエロのセリフに反応を返したのは、あたしじゃなくてハリセンボンだった。

ソレにはあたしも予想外で、思わずハリセンボンに目をやってしまったよ・・・・・・・・・・・・てゆーかナゼ疑問形?





「あれ☆知らなかったの君?」

「話は聞いてるけど、顔まではね」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。





そそそそーいえばあたし、フードマントをドコへやっちゃったっけ?

3つ目の試験の時まではちゃんと持ってたハズだよね。

ソレから・・・・・・ソレから?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うわぁあああ!!もーあんなの着れないやってポイしちゃったんだよ!!

なんて!!なんてバカな事をあたしぃぃぃいいい!!!!





しかも何!?なんでハリセンボンまでコッチに近付いてくんの!?!?

どーせ迫るんならそんな針まみれじゃなく素の美形な時に迫って!!・・・・・・って違う!!そーじゃなくてだね!!





「うん。凄く綺麗だね。コレならあの話も納得。」

人の顔まじまじと見ながらこんなトコで何ゆーかなこの子は!?

「あの、って何の話だい?◇」

聞くな!!ピエロ!!

「君のトコの団長さんの話。」

こら!!アンタもピンポイントで答えないの!!

「ああ。アレね☆」

通じたのか!?つかアンタその辺の諸事情も知ってんのか!?

「僕も立候補しようかな。」

何に立候補!?

「えー☆ソレは困るなぁ◇白猫って滅多にお目に掛かれない上玉だから、僕も狙ってるのに☆」

今サラッと物騒極まりない事言った!?ねえ言った!?

「でも、目下1番のライバルっていったらアイツでしょ?」

ライバルってナニ!?ライバルってっっ!?

「そうだね◇アイツだね☆」

だから誰!?





「「あの黒猫だよね(◇)」」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、アンタいつの間にか勝手にライバル視されてるよ。

思わず遠くへ思いを馳せそうになりました。ええ本当にもう。





てゆーかね。団長サマもそうだけどキミタチ2人もね。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前等1度眼科へ行ってきたらどうだ」

思った事が思わず声になってしまった。

「「何で?」」

そしたら2人は顔を見合せて(カワイくない)きょとんとした感じで(ドッチもすっぴんなら美形なのにやっぱりカワイくない)聞いてきた。





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・綺麗だとか上玉だとか、俺の何処を如何すればそんな風に見えるんだ」





おもっきし吐き捨てるみたいに言ったら、ピエロとハリセンボンは「「はぁ?」」って顔をした。

・・・・・・ナニ、その反応。

そしてもう1度顔を見合せて、2人してでっかい溜息を吐く。





――――――・・・・・・・・・・・・だからナニ、その反応は。




 




 




 










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