時間が経つにつれ、1人、また1人と増えていく合格者さん達。

彼等はみんな一様に、あたしを見るなり固まった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふっ。あたしだって固まりたいよ。

そしてなかった事にしたい。

あたしの左右を固めてるピエロとハリセンボンの姿を!!!!





何をするワケでも話すワケでもないのに何でコイツ等は!!

どーしてあたしが距離を取ったにも関わらず!!

こうあたしの傍に張り付いたまま動かないかなぁ!?




 




 




 





 
1人で困難を乗り越えた日。




 




 




 




 
緊張とストレスで、もーあたし限界だ、と思った頃。

やっと、本当にやっと!!お子様組含む5人がやってきた。





その時のあたしの気持ちが解る!?

もう地獄の底に降りてきた1本の蜘蛛の糸を見つけた気分だったよ!!





キョロキョロと周囲を見回してた彼等は、モーゼの十戒の海みたくぱかーっと開いてるあたし達の周りに気が付いた。

んで、やっぱりあたし達を見るなり固まった。

・・・・・・うう。あたしだって好きでこんなメに合ってるワケじゃないよ・・・・・・





「――――――!!」

泣きそうになってたら、が慌てて駆け寄ってくる。

いろんなトコロ破れたり汚れたりしてる彼等の中で、だけは相も変わらずキレーなフードマントのまま。





・・・・・・・・・・・・ちくせう。やっぱりは楽勝だったんだ。

あたしはあんなにイヤな思いをしたってゆーのに。したってゆーのにっっ。

もーコレは拗ねてやる!!とかって思ってたら。





ぐいっ。ぽすん。





イキナリ腕掴まれて引っ張られて抱き締められました。

・・・・・・・・・・・・うーわー・・・・・・・・・・・・左右から突き刺さる殺気がイタイ。

まぢでこの2人、をライバルに認定したの。

てゆーか、ですんごい2人を警戒してるし。





「すまない、1人にし過ぎた」

「――――――・・・・・・・・・・・・そうだな」

お陰でどんだけ神経すり減らす思いをしたか。

「怪我は、無いか?」

「ああ」





ぽむぽむと頭を撫でてくるの肩口に、すり、と頬を擦り付ける。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー。なんかの匂いヒサシブリって感じだー。

まあ当たり前だよなー。1日以上と離れた事なんて今までなかったもんなー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。なんか寝そう。





「こら、寝るなよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・解ってる」

解ってるけど、仕方ないじゃん。変態と暗殺者が傍にいて、まともに寝てないんだから。

「マントは如何したんだ?」

「破れたから、捨てた」





急にやってきた睡魔と闘いながら、頑張って瞼を上げようとしていると、視界にお子様組が映る。

なんかあたしを見てすっごい驚いた顔してるのは何故ですか?

「――――――如何した、ゴン、キルア?」

の肩から顔を上げて呼び掛けてみたら、今度はぼぼんっと真っ赤になりました。

だから何故。





「・・・・・・・・・・・・えと、その・・・・・・・・・・・・?」

「?ああ。何だ、ゴン?」

「・・・・・・・・・・・・マジで、?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・其れは如何いう意味だ、キルア?」





ワケ解んなくてちょっと首を傾げて聞いてみたら、いやまあ別に何となく、なんて何とも歯切れの悪いお返事が。

ふと顔を上げてみた・・・・・・年長者組の顔が赤い上になんか目をうろうろさせてんのは何故かしらん?

とか思ってたら、があたしの腰から腕を離そうとしたから、今度はコッチから抱き付いてやった。





「嫌だ」



「もう少し」





ちろん、と上目遣いで見たら、基本あたしに甘いこの守護者は、仕方ないなぁ、って感じに苦笑して。

「はいはい」

ぱちん、とマントの留め具を外して、脱いだマントをあたしに羽織らせた。





なんだかおこちゃま扱いでちょっとムッとしたけど、コレはコレで気ぃ遣われてんだなーって感じで、ありがと、なんて小さく言ってちゅっと頬にキスなんかしてみる。

そしたら、色んなトコで色んな音が鳴った。

はて?と思って周囲を見回してみたら・・・・・・何でレオリオとかハゲゾーとかその他イロイロこけてんの。

お子様組とクラピカは固まってるし、ピエロとハリセンボンなんかもう、針とかトランプとか足元にばら撒きながらポカンって感じだし。





?」

「・・・・・・まあ、気にするな」

何で?って問い掛けてみたがそう言うんだから、そんな大した事じゃないんだろう、とあたしはもっかいにぎゅっと抱き付いた。




 




 




 










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