制限時間約5分前ってトコロで持ってきたあたし達の豚は、周囲のみんなの視線をすっごい集めました。
まあ、ただ焼いただけの豚よりは、食欲をそそる様な香りをさせてるけどね。
「うん。この豚スパイスが絶妙だね。すごく美味しいよ。こっちのも、ソイソースと砂糖かな?オーソドックスだけど、この甘辛さが何とも」
「・・・・・・味付けまでしてくるなんて、一体どうやって・・・・・・」
なんか食べるのがゆっくりペースになったブハラさんと、コッチを警戒した目で見てくるメンチさんですが。
うん、まあ。何て言うかね?
「野営生活が長かったからな」
うんぶっちゃけの言う通りさ。
「其れで、俺達のソイツは合格なのか」
「勿論、文句無しの大合格だよ・・・・・・メンチも食べてみる?」
「・・・・・・そうね、少しだけ」
誘惑に負けたメンチさん含め、あたしはブハラさんの言葉にほっと胸を撫で下ろした。
食と危険が繋がってしまった日。
第一関門を突破した猛者は、全部で72人。
終了を言い渡した試験管さん達から離れると、ゴンとキルアがぱたぱたと駆け寄ってきた。
イイねえ。愛いねえ。カワイイねぇ。もーこのままこんな殺伐としたトコから攫っ――――――
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、イエローカー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(すとーっぷ!!すとっぷすとっぷすとーっぷ!!まだ平気まだ大丈夫!!ほぅらあたし全然まだしらふ!!)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ギリギリだよ)
(ギリギリでも持ち直したからカウントには入らないのさ!!)
そんな言い合い脳内で繰り広げてたら、子様組はもう目の前だった。
・・・・・・この2人には絶対に聞かせらんない内容だよね。
「おっそいなと思ったら。調理なんかしてたんだ。てゆーかアンタ達料理出来たんだ」
「すっごいおいしそうだったよとの豚の丸焼き!!」
「俺も。アレなら食ってもイーかなって思った」
・・・・・・なんかセリフの中に失礼なのが入ってましたが、キルアカワイイから許すよ。
あれ。でもこの2人と一緒にいたハズのもう2人がいないな・・・・・・と思ったら。
・・・・・・・・・・・・離れたトコでお子様組を見守ってました。
どんだけ危険物なんだあたしら。
そして、年長2人組の心配を露ほども解っていないお子様組はというと。
「次の課題は何だろーな」
「うーん。さっきは豚だったから、牛とか?」
「鳥とか?」
うん2人とも育ち盛りだしお肉好きそうだけど、ちょっと離れようよ肉類から。
ってちょっとツッコミ入れてやろうかと思ったら、ちょーどいいタイミングでメンチさんが宣言した。
「二次試験後半、あたしのメニューはスシよ!!」
・・・・・・原作読んでた時も思ったんですが、こんな場所でその課題はちと酷ではないですか。
ヒントには聞こえないメンチさんのヒントに、周囲の受験者さん達も困惑です。
――――――・・・・・・・・・・・・や。1人笑ってるけど。ハゲの忍者が。
そんな、いかにもワタクシ知ってます、みたいなリアクションは取らない方がいーよ?
ほら。ピエロと針にロックオンされた。
「スシって何?」
「わかんね」
「とは知ってる?」
はい知ってます。ネタはサーモンが1番好きです。
(俺はハマチがイイな。あとカンパチも)
お。気が合うねぇ。あとあたしは――――――
「魚ぁ!?」
うをう。誰よ今の声・・・・・・って、レオリオか。
あーあー。クラピカにすっごい怒られてやんの。
あ。ハゲゾーもチッて顔してる。
「魚だって!!」
「川行くぞ、ゴン!!」
あや~。お子様組、受験者さん達が殺到してった川についてっちゃったよ。
どーせ誰も受かんないのに。
「いや、誰もソレ知らないから。アッチの行動が正解」
「あ。そいやそだったね」
まだまだ原作を傍から読んでる気分から抜け出せてないなぁ。
まあ、取り敢えず。腹が減っては戦は出来ぬ、と申しますし。なんか食べてから動こ。
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