「で、何時までそのマント着てるんだ?」
「・・・・・・・・・・・・あ。」
ちょっとした雑談中、何気なくシルバさんに言われた一言にそーいえば、と自分の外見を見る。
賓客として招かれたのに、室内じゃちょっと・・・・・・失礼なカッコだ。
ソレにゾルディックの皆さんにはけっこーいろいろ知られてるし。別にいっか。
そう思ってパチンと留め具を外してマントを脱いだ。習う様に遅れても脱ぐ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何故かイキナリ静かになった皆さんも気になりますが。
ちくせう。ソレにしてもうっとーしいなこの前髪。
新しい動きに呑まれた日。
「ほら、白猫」
「ん。」
がピン留めを取り出して、顔を向けたあたしの前髪をぴっと留める。
ちなみにコレ、どっから出てきたかってゆーと。
これまたあたしが『実現する幻想』で某ネコ型ロボットの4次元ポケットみたいな機能を付けたウエストポーチ(しかも手作り一点もの)からなのさ。
「・・・・・・・・・・・・まあまあまあまあ」
「・・・・・・・・・・・・こりゃまた迫力、いや絶景かのう?」
「・・・・・・・・・・・・あいつが手に入れたがるのも解る気がするな」
なんかキキョウさんまでしみじみ言ってますが。
この世界って、そんなに美的基準低いのかな?それとも双子は珍しい?
「いやいやいやいや。ドッチもないない。」
「?そーなの?」
思わずって感じで突っ込んできただけど。
あたしが美人の部類に入る、ってねぇ・・・・・・?どう転んだっておかしいっしょ。
「・・・・・・・・・・・・2人してじゃれてると本当に『猫』だな」
んー。どっちかってゆーとあたしもも犬気質ですよシルバさん。
「じゃのう・・・・・・はて、黒髪黒目眼帯は白猫の方ではなかったか?」
・・・・・・目敏いですねおじーさま。
「・・・・・・俺、髪の毛染めてるんです。目もカラコンを入れてます」
「あら?両目とも、ですの?」
・・・・・・・・・・・・うん。眼帯してたってゆーのに両目あったらふつーは疑問ですよね。
「いえ。白猫の右目は元からこの色で。ソレを隠すのに眼帯付けてただけなんで」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっとねえソコまでオープンにしちゃってもイイの?
うっはぁ。何ですかキキョウさんっ。イキナリずずいっと迫って来ないで下さいっっ。
顔っ、顔が近いですっっ。
「まあまあまあ・・・・・・まあまあまあ!!何て綺麗な色なんでしょう!!わたくしこんな綺麗な瞳の色初めて見ましたわ!!」
「そ、それはどうも。あの」
「左目の元の色は何色ですの!?・・・・・・あら、まあまあまあ!!何て美しい漆黒!!」
「え、えーと・・・・・・」
「こんなに綺麗な色なのに、今まで隠し続けていたんですのね!!何て勿体無い!!」
ずずいっとあたしの顔を覗き込んで捲し立てるキキョウさんの迫力に押されて、あたしはずるずるとソファから半分滑り落ちた。
何とかして欲しくてに視線を送るけど・・・・・・
・・・・・・このやろー、自分にまで火の粉が飛んできちゃ敵わないって感じで既にソファから離れてやがる。
「白猫さん!!」
「は、はいっ」
ひぃっ、何ですか改まって!
「わたくし、あなたがカラーコンタクトだなんて無粋なモノを着ける事、金輪際許しませんわ!!勿論眼帯もです!!」
「あ、の、でも、えと・・・・・・」
けどそーしないとね。イヤに注目浴びるってゆーかね。目立つってゆーかね。ぶっちゃけ悪目立ちするんですが。
「ゆ る し ま せ ん わ !!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」
そんな言い合い(?)してるあたしとキキョウさんから離れたところで、がシルバさんに声掛けられてた。
「悪いな。ウチのキキョウは、なんつーか、綺麗なモンに目がなくてよ」
「いえ、構いません。俺も、カラコンはちょっと・・・・・・目に悪そうだし」
・・・・・・イイねソッチは・・・・・・ほのぼのしてて。あたしなんてもー脅迫なのに。
「そうか・・・・・・ところで、黒猫」
「はい?」
「白猫がアレっつう事は、お前の左目もあんなんなのか?ほら、双子は隔世遺伝とかってのがあんだろ?」
「いえ、俺は赤味がかった金ですよ、ほら」
言いながら、眼帯外してぱちんと瞬きしたに、溜息というか何というかが、シルバさんから零れた。
・・・・・・・・・・・・だからさ。ソコまでオープンにしてもイイの?
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