さっさと箱を渡して帰ろうと思ってたら、見た事はないけど、ゴトーさんと同じカッコした人がどうぞ、って紅茶を出してきた。
・・・・・・・・・・・・うん。絶対毒入ってるよね。
じぃいいっっ、と見てると、はアッサリソレを口に含んでこくんと咀嚼した。
ほう、とシルバさんが目を細める・・・・・・・・・・・・うう、やっぱり毒入ってるんですかい。
・・・・・・・・・・・・つか、大丈夫なの?
『うん。だっての血肉は本来どんな強い毒よりもきつい毒素持ってんだよ?』
・・・・・・・・・・・・ああ。そーいやそだったね。だったら大丈夫だ、うん。
そう思って、あたしもカップを持ち上げて、一口含む。
「しっかし、無傷で捕獲ってのぁ、あいつぁ一体どういった了見でんな面倒事を。知ってんだろ当事者」
ぶはっと吐き出した。
新しい動きに呑まれた日。
「っっ、げほっ、げほっごほっ」
「おいおい大丈夫かよ」
むせたあたしに掛けられたシルバさんの声は、楽しそうだ。
・・・・・・・・・・・・絶対ワザとだ。さっきの問い掛け。
苦しさに泣きそうになりながら、またまた執事さんがどうぞと持って来てくれたタオルを借りる。
ってゆーかね。
「・・・・・・・・・・・・あいつ、て」
「ん?ああ、知ってるぞ。たまに暗殺依頼してくるしな。そうか、お前が白猫か」
またバレた。
・・・・・・・・・・・・うう、どーしてあたしってこー大事な場面でこんなんばっか。
と、とりあえず落ち着け。そーだ紅茶。お茶は心を落ち着ける作用があるって・・・・・・
・・・・・・・・・・・・毒入りだよコレ。落ち着かないよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さっき口にした時はふつーに美味しかったのに。
ぐるぐると考えて、でもやっぱり咳のしすぎで喉は乾いたからこくんと一口。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。やっぱりふつーに美味しい。毒入ってんの解るけど。
「ほほう。なかなか見所のある青年達じゃの」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ををう。何時からソコにいたんですかゼノおじーさま。
つか、やっぱり原作通り『一日一殺』なんですね衣服の文字は。
「おお、まだ名乗っておらなんだの。ワシはほれ、其処のジルバの父親をやっとる、ゼノという者じゃ」
「・・・・・・・・・・・・はあ、どうも。白猫?です」
「何故疑問形・・・・・・・・・・・・俺は黒猫です」
うっさいよ。
「で、実のところどうなんじゃ?ワシもな、あの蜘蛛の団長が、旅団も使わず態々無傷で、というのに少々興をそそられるんじゃが」
いえ思い出させないで下さいお願いしますおじーさま。
「まあまあまあ!!お父様!!ソレはわたくしも知りたいですわ!!・・・・・・あら、申し遅れましたわたくしシルバの妻でキキョウと申しますのよオホホホ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しかもナゼ、キキョウさんまで出てくるんですか。
「白猫、あいつに『俺のモノになれ』って言われて断って、俺が連れて逃げたんです」
――――――しかも余計な爆弾投下ぁぁぁあああ!!!!
「ほーぉう。そいつぁまた」
なんかニヤッてその笑顔すんごい気味悪いと思うのは気のせいですかシルバさん。
「良うもあやつから五体満足で逃げおおせたもんじゃの」
脅しはやめて下さいおじーさま。
「まあまあまあまあ!!それじゃあなた達は愛の逃避行中なのね!!なんて素敵なんでしょう!!」
いえ違いますその表現は絶対なんか違いますからキキョウさん。
がっくり項垂れるあたしに、横のはトコトンまで、この場を楽しむ様にしたみたいだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちくせう。後で覚えてろ。
あたしはに思念を飛ばしつつ、こほん、と気を取り直す。
「あの、荷も無事に届けられたし、俺達そろそろ・・・・・・・・・・・・」
「まあまあまあ!!もうお帰りになるんですの!?大したお持て成しもしておりませんのに!!」
今の声は後頭部にがっつんキました。
思わず腰も引けるってもんさ。
「飯くらい食ってったらどうだ。ウチのシェフの料理は旨いぞ?」
「どうせ仕事も休業中でヒマなんじゃろう?」
しかも何でソコでおじーさまとシルバさん便乗してくるかな。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いえ、でも」
「「「食べてけ(下さいまし)」」」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい。御馳走になります」
・・・・・・・・・・・・か、勝てなかった。がくっ。
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