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「Bブロック、突破された模様・・・・・・通信不能ですっ!!」
「第2、第3部隊、包囲されました!!」
「んだと!?」
モニターに向かっていた部下からの報告に、返る怒声。
慌しく飛び交う音の中、其の声音だけは大きく響いて。
「トットリとミヤギはどうした!?」
「判りません!!確認が取れません!!」
「ちぃっ、援軍を!!コージを向かわせろ!!」
「無理です!!Aブロックは混戦状態!!」
「だったらアラシヤマの部隊は!!?」
「現在Cブロックにて、敵軍と衝突中!!」
打てば響く様に、間髪置かずに返る応え。
思わず落ちてきた前髪を掻き上げ、舌を打つ。
焦燥は、留まる事を知らずに身を焦がし。
「Bブロック、映像捉えました!!スクリーンに出します!!・・・・・・こ、コレは・・・・・・!!」
「・・・・・・告死兵団・・・・・・!!」
眼前に広がる大きなスクリィンの、表したものに眉を顰めた。
稀に見る乱戦。老いも若いも敵も味方も区別が付かず。
しかし其の中に、確かに点在する黒い姿。
まるで精密な機械の様に、動くものを静止させる、ヒトガタ。
「告死兵団・・・・・・全く、厄介なモンが出てきやがったぜ」
面倒だとばかりに苦々しく吐き捨て。
しかしひたと睨み据える眼差しは、何処までも厳しく。
「飛空艦ガーデンは直ちにBブロック上空へ、急げ!!」
了解、と。返事を返したのは良いものの。
何やら不穏な気配を感じ取って、モニターに向かっていたオペレーターがそろり、と振り返る。
「どうされるおつもりですか、総帥?」
「あん?んなの決まってっだろ」
質問に、受けた相手は不機嫌そうに眉を顰めたまま。
「――――――俺が、出るんだよ」
赤い軍服の上に羽織ったコートの裾を翻し。
すく、と立ち上がった拍子に、背に流れる黒髪が、靡いた。