あたしの答えに、ゴンもキルアも 「は?」 て顔をした。

特にキルアは前にも一度200階まで行った事があるから、なんでまたそんなイヤそーなんだ、と聞いてきて。





「・・・・・・・・・・・・うん。すっごい会いたくないヤツに会ってしまいそうな可能性大だから」

「すっごい会いたくないヤツ?」

「誰の事なの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・某変態マッド・ピエロとか」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」





沈痛なあたしの声に、納得したお子様達も声のトーンが下がる。

そんな中、1人だけあっけらかんとしているのは

「まあまあ。もしかしたら会わないかもしれないだろ?」

「・・・・・・・・・・・・だけど会うかもしれないじゃんかー・・・・・・・・・・・・」

「けど、背に腹は代えられないよな」





あう。そーなのです。

「修業はしたい。金も稼ぎたい。でも仕事は修業がてら出来る様なものでも無い。其の点、天空闘技場なら修行にもなるし稼ぐ事も出来る」

「・・・・・・・・・・・・わーかってるよ。けーどーさーぁ・・・・・・・・・・・・」

指を折り曲げひとつひとつ言うにあたしはまた溜息。

そんなあたし達に、お子様達がきょと、と首を傾げた。

「え。、お金稼ぎたいの?」

「警備の報酬入ったんだろ?なのに何で?」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー。そーいや言ってなかったっけ。





「・・・・・・ぢつはね・・・・・・その報酬なんだけどね・・・・・・全部使っちゃった・・・・・・ごめんね。てへ。」

「「まぢで!?」」




 




 




 





 
金遣いが荒いと認識された日。




 




 




 




 
「俺の念能力のひとつに 『実現する幻想』 てのがあるんだけどさ」

「「うん。」」

「その能力、お金すっごい掛かるんだよね」





天空闘技場に向かう道すがら、一体何に4億も使ったんだ、ってお子様達に言い詰められて。

あたしは今、2人の剣幕に押されながら、ぽつぽつと説明をしている。





「物に念とお金を注ぎ込んでね、いろんな付加能力を付けるんだ」

「例えば、が今穿いてるブーツ。穿くだけで素早さが上がったりな」

の服だって、一見タダの布だけど。チンピラ程度のナイフとかなら余裕で弾くしね」





そんな言葉に、お子様達はしげしげとあたしの靴とかの服とかを見る。

「で。最初の制約でさ。能力を付加した物に注ぎ込んだ金額が高ければ高いホド、能力も上がるってしたんだよね」

「そのお陰で、稼いでも稼いでも貧乏から脱せないんだよな」

「・・・・・・うぅ。ゴメンナサイ。」

でもあたしだって、この能力がこんなに金を食うとは思ってもみなかったんだ!!





しゅーん、とするあたしに、溜息ふたつ。

「・・・・・・うん。何となく解ったよ。その、『実現する幻想』?そんな念能力もあるんだね」

「・・・・・・で。今回の4億の使い道は何なんだよ、?」

痛いイタイいたい。痛いよキルアその視線。





「俺のブレスに1億5千万飛んだって言ってたよな?」

「1億5千万!?」

「何でそんな掛かってんだよ!?」

「・・・・・・・・・・・・や。元々邪を祓う念がこもってた上に、もうふたつばかし付加させたら・・・・・・・・・・・・」

「値が跳ね上がった、と」

「・・・・・・うんそう・・・・・・しかも今回初めて付加させてみた力だからさー・・・・・・」

「ああ、そういや。前から欲しかったんだよな、こんなの。助かった。さんきゅな、





ぽむぽむ、と頭を撫でてくれるの気遣いが嬉しいです。

そしてそんなの言葉にお子様達も、「が欲しかったんなら、まあ仕方ないか」って息を吐く。





「後は何に注ぎ込んだんだっけ?」

「ん。キルアとゴンにやったタグとポーチ・・・・・・タグには2億かけて念バリアの効果を。ポーチも、やっぱり5000万かけてね」

「異次元化、か」

「うん。と俺のみたいに繋がってはないけど」





このふたつも痛かった。なんせドッチも需要が高い。





「え。このポーチ?」

きょとん、と首を傾げて。

「とタグ?」

キルアは首に掛かってたタグを目の前まで持ち上げて、ゴンは腰に着けたポーチを見る。





「そのポーチね、生き物以外で2人が両手で持てるモノなら何でも入れられるから。際限ナシで」

「何でも?」

「そう。そのロッドでも今ゴンが座ってる椅子でもキルアの好きなチョコロボ100個でも何でも」

「・・・・・・マジで?」

「おおまぢです。ちなみにソレ、ゴンのはゴンしか、キルアのはキルアしか使えない様にもなってっからね」

「・・・・・・そんなのが作れるなんて、念ってほんとすごいんだねー・・・・・・」

すっごい感心されました。いやぁ、ソレホドでも。

「・・・・・・でもコレふたつ作んのに5000万・・・・・・まあ、ちょっと考えれば安いのかもしんねーけど」

そうそう。モノは考えようだよ考えよう。





しげしげとポーチを見てた2人が、ふと顔を上げた。

「じゃあ、コッチのタグは?どーして2億かかったの?」

「ポーチの4倍の金が掛かってんだから、すげぇ効果、って事だよな?」

うん。疑問はごもっとも。





「相手の念能力を、無条件でそのまま相手に跳ね返す効果つけてみた」





あ。ゴンとキルア固まった。





「念って念!?ソレを跳ね返す!?そんなモノまで作れるの!?」

おお。復活した。てゆーかすっごい驚きよう。

「しかも2コだよな!?1コ1億!?んなすっげぇのが!?有り得ねぇ!!安すぎる!!」

あー。まあ、確かに反則みたいなあり得ないアイテムだし。念がどんなのか知ってる人にはコレがたった1億って言いたいのも解る気がするけど。

「オーラの量が半端ないだからこそ作れるシロモノだ。其処らのふつーの念能力者にはまず絶対ムリだな」

うんの言うとーりでございます。

「つか、コレ念全般か?」

しかもイイとこ気が付いた

「や。攻撃系と状態異常系だけ。回復系と補助系は除いた・・・・・・だから金額跳ね上がったんだけど」

しかも念能力限定、だから。毒とか武器とかは、範囲外だから。





そんな事を言ってるあたしとの傍で、のオーラ量ってどんだけ・・・・・・って呟く子供達。

まさか世界いっこ分です、なんて言うワケにもいかないから、さらっと笑ってかわしておいた。




 




 




 










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