まさかイルミの投了でキルアがハンター試験に合格するなんて思ってもみなかったけど。
その後の試験はトントン拍子で進んだ。
1試合分を見送ったとはいえ、ポドロさんの具合はあまり良くなくレオリオの勝利。
次のイルミとポドロさんの試合は、ポドロさんがもう戦える状態にないからって、投了した。
誰も死者が出なかった。キルアがハンターに合格した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたし達って、自分達で思ってる以上に影響力が強いのかも知れない。
多分、今後すっごい原作からかけ離れていくんだろうなぁ。
イイ事なのか悪い事なのか。
子供の保護者を依頼された日。
イルミの言いつけ通り、キルアは1度家に帰る事になった。
ゴンはその付き合いで、キルアに着いていく事にした、らしい。
原作にあった蜘蛛の話、オークションの話をしたクラピカとレオリオは、ヨークシンでの再会を約束して別れた。
そして、あたしとはと言えば。
「キ、キルア坊ちゃん!!良くお戻りで!!・・・・・・おや、あんた達は」
「お久しぶりです。ゼブロさん」
以前、1度だけココに来た事のあるあたし達を、彼は覚えていたらしい。
キルアと手を繋いでいると、ゴンと手を繋いでるあたしを見て、ちょっと目を丸くした。
――――――そう。
お子様組の押しに根負けして、再びやってきましたククルーマウンテン。
いやだってあんなカワイく上目遣いされてお願いなんて左右から迫られたら!!
誰だって断れないでしょ!?
つか断れるヤツいたらソイツは絶対悪魔かなんかだ!!
本邸に連絡だ、とばたばた守衛室に戻ってったゼブロさんを尻目に、あたしはぐっと拳を作る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、ココまで来たのは、まあ、うんイイんだけども。
この後一体どうしよう?
「取り敢えず、カラコンは外しとけよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかってるよ」
の言葉に、溜息吐きながらも素直に頷く・・・・・・また取り上げられたくないし。
したら、お子様組が驚いてあたしを見上げてきた。
「えっなにってカラコンだったのか?」
「ああ、うん。って言ってなかったっけ?」
「聞いてないよ!」
「ちなみに俺の眼帯も伊達な」
「「マジで!?」」
フードを取ってしゅるりと眼帯を取るにキルアもゴンもあんぐり。
あたしも、ポーチからコンタクト入れる容器を取り出してフードを脱いでコンタクトを取った。
「あー。やっぱ裸眼はスッキリ。楽だ。」
ぱちぱち、と何度か瞬き。
うん、ごろごろもしてないし、違和感もナシ。
とか上を向いてやってたら、下から吐息混じりの声が聞こえた。
「・・・・・・うっわー。キレーな色だねぇ。」
「ん?さんきゅ、ゴン」
素直に褒めてくれたゴンには笑いながら頭を撫で撫で。
「・・・・・・アンタらどんだけキレーなら気が済むんだ?」
「どんだけ、って。確かに自分でもキレーな色だとは思うけどね。でも好きでこんな色じゃないんだけど」
なんか呆れまで含んだキルアのセリフには、あたしが苦笑しながらキルアの頭を軽く叩いてやった。
そしたら今度は目をまぁるくされる。
「え。好きじゃないのその目?」
「だってオッド・アイって目立つだろ?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
なに2人ともその沈黙。
「キルア、ゴン。の言う事だ。あんま深く考えるな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そーする」
「ちょっと待てどーゆー意味だソレ」
思わず突っ込んだら、揃って溜息吐かれた。
なにゆえ?
「・・・・・・・・・・・・どうしようキルア。解ってないよ・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・ああ、すっげぇアブナいよな・・・・・・・・・・・・」
「だーかーらー。」
「「目の色抜きにしてもは目立つって事。」」
揃って言われてぐっ、と詰まった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・こ、こんな、ゴンにまで言われるなんて・・・・・・っっ。
そんなに悪目立ちすんのかあたしは!?
「・・・・・・今まで大変だったんだね、」
「・・・・・・良く今まで無事だったよな、」
「まあ、に自覚がないのは何時もの事だし」
しみじみと零したお子様組に、はアッサリ笑いながら返す。
あたしはソレを、どっかすんごい居心地の悪い思いで聞いていた。
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