初っ端からイロイロとハードだったハンター試験は、飛行艇の中で1度休止となりました。
明日の朝に、次の試験内容について説明があるそうです。
お子様組は飛行艇の中を探検しに行きました。
年長者2人組は寝ました。
そして、あたし達は。
「・・・・・・この中で雑魚寝はイヤだな」
「・・・・・・右に同じく」
控え室の隅っこ、壁際で腕組んで室内を見渡してました。
新人潰しがいろんな事吹き込んでて、疲労困憊な受験者さん達がぐでぇっとなってる。
――――――・・・・・・・・・・・・イヤだ。こんなムサいトコに何時までもいたら窒息しそう。
「・・・・・・他のトコで、時間潰すか」
「・・・・・・さんせー。」
あたしと全く同意見だったの提案に、あたしは心もちゲッソリしつつ、返事を返した。
お休みが全然お休みにならなかった日。
ぷらぷら~、と。探索ではないけど飛行艇の中を歩いて。
・・・・・・・・・・・・まず遭遇したのはハリセンボンだった。
廊下の端と端なのにバッチリ目が合った様な気がして、思わず一瞬硬直する。
――――――うん。アレの正体イルミだって解ってんだけどね。
美形だってのも解ってんだけどねっ。
その変装とその「カタカタカタカタ」ってゆーのはやっぱり近付きたくないくらいブキミです。
うわ。しかもなんかコッチきた。
おおおお、近付いてくる近付いてくる!!・・・・・・・・・・・・って、え?
拍子抜けした。
だって、傍に寄ったあたし達の横、ただ通り過ぎただけなんだもん。
てっきり、絡まれるもんだと思ってたのに・・・・・・・・・・・・って、え?ええ??
何故!?戻ってくる!?
「ねえ、白猫」
――――――その姿でもふつーに喋れたんですねビックリです。
てゆーかあたし白猫確定ですかそーですか。まあ実際そーなんですけども。
「団長の求婚から逃げたから賞金掛けられたって本当?」
・・・・・・・・・・・・一体何を言い出すんだコイツは!?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何処から、その話を」
「父さんと母さんから」
――――――・・・・・・・・・・・・何をどう吹聴したんですかシルバさんキキョウさん。しかも話が飛躍してませんか。
求婚って一体何なんですかぁぁあああ!?
「ねえ、どうやってオトしたの?」
「オトしてない」
キッパリすっぱり否定すると、隣でなんか笑い堪えてたがまたいらん一言を。
「白猫は無自覚で天然タラシだからな」
「無自覚でも天然でもタラシでもない!!・・・・・・信じるなよ、イルミ」
「あ。やっぱり僕の事解ってたんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うわっちゃぁ。またやっちった。
「まあ、その話を知ってるのは当事者とゾルディック家くらいで、俺達が顔を合わせてないゾルディックの人間といえば、長男3男4男だからな」
「そう」
うん。ナイスフォローだよ。
てゆーか、イルミもそこんとこ解っててこのネタだしてきたよね?
「それにしても、最初はまさか、と思ってたけど――――――その反応は、本当なんだ」
ナニ1人で納得してるんですか。
しかも何なんですかそのカワイソーなモノを見る目つきは!!
「・・・・・・まあ、犬に噛まれたとでも思って。がんばりなよ」
更に何で励ます様に肩叩いてくるかなぁ!?ポンって何さポンって!?
そのまま、言いたい事だけ言って「じゃ」と立ち去る奇抜な背中に、あたしはもう気力根こそぎ奪い尽くされました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちっくしょう。何ぷるぷる震えてんのさ。
「・・・・・・・・・・・・そんなに笑いたきゃいっそ笑え」
「っあっはっはっは!!」
「だからってそんなに爆笑するな!!」
げいんっ!!と。
もうおもっくそ手加減ナシでゲンコツ落してやった。
だけどは、頭抱えてしゃがみ込んでイタイとか言いながらまだひーひー笑ってる。
・・・・・・・・・・・・このやろう。人の不幸をっっ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何やってんの、」
「、どーしちゃったの?」
うぉあゴン!?キルア!?何時の間に!?
「・・・・・・・・・・・・いや、少し、な」
いえいえ全然少しって感じじゃないから。まだ肩震えてるから。
そんなあたし達を、キルアは冷めた目で、ゴンはきょとんとした目で見てた。
イタイです。ホントにイタイですその視線・・・・・・・・・・・・特にキルア。
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