「『路地裏の猫』だってよ」
「電脳ネットで1時期騒がれてた何でも屋、だよな?」
「たった3ヶ月ちょっとで消えたっていう、あの?」
「そういやヤツ等の特徴、まんまじゃないか?」
ひそひそ。こそこそ。
・・・・・・・・・・・・うん。何でみんなそんなにあたし達の事知ってんだろーね?
「ねえ。『路地裏の猫』って何?」
うをう。知らない人がいたよ。まあ当たり前だよねゴンなら田舎っ子だから。
「何、オマエ知らないの?」
いや。イイよキルア教えなくて知らない方がシアワセって事も世の中にはあるから。
「『路地裏の猫』っつったら、難易度高い仕事ばっか、しかも100%の成功率でやってた凄腕の何でも屋だぜ?」
「へー!!とって、そんなにスゴい人だったんだ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だから。そんなん教えなくてイイし、知らなくてイイってば。
食と危険が繋がってしまった日。
お子様組のセリフは曖昧に濁して、周りのひそひそ話には耳に栓をして。
精神的ダメージ負いながらも、あたしとはようやく動き出す事にした。
何の為に?って、そりゃモチのロン魚をゲットする為さ。
ちなみにさっき、メンチさんのトコにあたし特製豚肉のタタキの握り寿司と特性五目寿司を持っていきましたいちおー。
――――――だってさっきからずっと視線が痛かったんだもん。
持ってったら、すっごく嬉しそうで、美味しいと言いながら食べてくれました。
でもボツをくらいました・・・・・・いわく、「スシって言ったらやっぱり魚だから」だそうです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だったら睨まないでよ。
そんなワケで、取り敢えず川にやってきてみましたが。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、やっぱり諦めるか」
2人揃って、速攻Uターン。
――――――だってあんなの人間の食べるモノじゃないよ!!
何アレ絶対猛毒持ってるよ!!みたいな形と色のばっかりだったよ!!
そして、調理場に戻ってみたら。
「をを。やっとか」
「俺的には、むしろ今まで良く保ったもんだと褒めてやりたいよ」
一体何が?なんて言わずもがな。
メンチさんが噴火してました。
そりゃもう見事に。
全員不合格!!のレッテル貼られて、受験者さん達はすっごい不機嫌だ。
うん。もー傍から見ててコワイくらい。試験管VS受験者のゴングが、今直ぐにでも鳴りそうだ。
――――――あ。鳴った。
ブハラさん、食べるだけの人かと思ってたけど、一応戦えるあたりちゃんとハンターなんだねぇ。
・・・・・・・・・・・・と、したら。もうそろそろかな。
(だな・・・・・・ほら、。上)
言われて空を見てみると・・・・・・・・・・・・落ちてきましたお爺さん。
100歳過ぎてるのに、スゴイなあの人。
感心しながら見てるあいだにも、事態は原作通りトントン拍子で進んでいく。
飛行船に乗せられでっかい山へ。
ネテロじーさまに怒られたメンチさんの、やっぱり出した課題はクモワシの卵でした。
――――――・・・・・・・・・・・・見本を見せてくれるのはイイんだけどねメンチさん。
傍から見てるとまるっきし投身自殺ですよ。靴キレイに揃えてるあたり特に。
そしてメンチさんが帰ってくるなり、我こそは!!とばかりに飛び降りる人たち。
・・・・・・・・・・・・嬉しそうだね、ゴン。キルアも楽しそうだよ。
(大丈夫?イケる?)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん多分だいじょうぶ。)
下を見なきゃイイんだ下を。
崖のスレスレで止まって、目を瞑ったまま、すーはー、と深呼吸。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・頑張れあたし。負けるなあたし。アンタはやればできる子なんだ!!
(子って年でもないと思うけどな)
うっさい!!チャチャを入れんな!!――――――うしっ、行くぞ!!
勢い良く一歩を踏み出した。
――――――途端、ひゅるるぅぅぅうう!!と落ちました。
「っっ、大気に揺れる7色の光を愛するもの 緩やかに落ちる羽根 風に舞う花弁の如く 空に包まれる恩恵を与えろ!!」
浮遊の術を唱えたら、ふわり、と浮きました。
ふっ、グッジョブあたし!!
「・・・・・・ああ、その手があったか」
「あったのだよ」
チャクラ練って、断崖絶壁を道のよーにスタスタ歩いてたに、グッとサムズアップ。
――――――・・・・・・・・・・・・この後。
卵持って地上に戻ったら、お子様組に「ナニアレ!?」と突進され、周囲の視線が痛かったのは言うまでもない。
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