そんなふうにキルアと親睦深めてたら、何時の間にか無事に次の試験会場に到着していました。
うん。何とか変態とも関わらずに済んだみたいで良かった良かった。
気になるのは原作主人公ズだけど・・・・・・ま、ソッチは大丈夫でせう。
だって主人公ズだから。
――――――ほら、レオリオが担がれて来た。
・・・・・・うーわー。知ってはいたけどカワイソー・・・・・・
担いで来てくれたのがピエロって、あたしでなくてもご愁傷様って十字切りたくなる人選だ。
とすれば、ゴンが来るのも・・・・・・あ。ゴンとクラピカがレオリオんとこに駆けてった。
「行かないのか?」
ぽん、と肩を叩いてキルアをゴン達の方に促したら、ちょっと恥かしそうにだけど睨み上げてきた。
「・・・・・・達も、だろ」
――――――・・・・・・・・・・・・うん。こーしてみるとカルトちゃん思い出すよ。
上目遣いのカワイさはやっぱ兄弟だねぇ。
食と危険が繋がってしまった日。
結局、あたしはキルアに根負けして、一緒にゴン達のトコに行く事にした。
イモヅル形式でもモチロン一緒です。
(俺的には、あんまりこのグループに近付きたくないんだけどな)
(何でさ、?)
(だってゴンはピエロが言うトコロの青い果実。キルアにはもれなく超の付くブラコンが付いてくるから)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
た、確かに。2大危険人物の影濃すぎ。
・・・・・・でも、せっかくお近づきになれたのに・・・・・・
(ま、変態に絡まれブラコンに敵視されてもいーんなら俺は何も言わないけどね)
・・・・・・・・・・・・ドッチもイヤです。
ああん目の前でオアシスが広がってんのに。
やっぱ原作には関わらない方針で・・・・・・
「何してんの?早く行くよ、も」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。ちっちゃくてもさすがはゾルディック。来ないとどうなるか・・・・・・な無言の圧力は父親ゆずり。
ココでUターンなんかしたら、背後がアブナい。
諦め半分で着いてくと、どーやらゴン達は目の前のでっかい建物の誰も入ってかないのか疑問を持ってるみたいだった。
ソコでキルアが助け舟。
「中に入れないんだよ」
「あ、キルア。とも」
・・・・・・・・・・・・あ。何だいクラピカ、レオリオ。
その『なんでコイツラがキルアと一緒に!?』的視線は。
「・・・・・・・・・・・・ゴン、この、人達は」
「さっき知り合いになったんだ。と、――――――、。コッチはクラピカとレオリオっていうんだよ」
うーわー。また何でこんなヤバいのと知り合いになるんだ的な雰囲気が。
確かに、フードマントの所為で顔も解らない様な2人組。
あたしだってそんなんとお近づきになりたいとは思わないけど。アヤシすぎて。
――――――ソレにしても。
「お前」
「あ?・・・・・・・・・・・・って、おおお俺か?」
「塗ってろ」
あたしが声掛けようとした、前に。がポーチから出したちっちゃな容器をレオリオにぽいっと投げた。
おお。やっぱ思った事は一緒だったか。
「――――――何だ、コレ?」
「見て解らないか?」
「イヤ解るけどよ・・・・・・軟膏?」
そう。アレは確かに、サバイバル生活時代、あたしが作った傷薬だ。
幸い、眠ってたあたしの知識の中に作り方があったから、作ってみた・・・・・・暇つぶしに。
しかも『実現する幻想』で効力上げてるから、初級の回復魔法くらいの威力を軽く発揮する。
擦り傷切り傷打撲なんかは、おちゃのこサイサイだ。
薬草の栽培から自分でやってたら、もっと効力上がったんだろーなー・・・・・・・・・・・・庭付きいっこ建て買ったら、試してみよう。
レオリオは恐る恐る、中身の白い半透明っぽい軟膏を指で少しすくって。
ちょん、と。傷にすこーしだけ着けてみる。
「・・・・・・すっげぇ・・・・・・痛みがカンペキ引いた・・・・・・」
「うっわぁ傷もなくなってるよ!!すごく良く効く薬だね、コレ!!」
ああああゴン。そんな大きな声で感心しないで下さい。
ほらほら周りの視線が集まってきてますから。
「ねえ、ソレ何処で手に入れたの?」
「わ、私にも教えてくれないか」
突っ込まなくてイイよキルア。便乗しないで下さいクラピカさん。
「悪いが、企業秘密だ」
にべも無く言って捨てたに、キルアが「ちぇっ、けち」、と言ってクラピカとレオリオが「「キ、キルア!」」と慌てた時だ。
ばたん、と建物の扉が、開いた。
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