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やってきましたとうとうこの日が。
あたしは、もうすぐ身分証が出来るっていうのと、施設が無料っていうのにワクワクして、夜刀を急かして試験会場へ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ココで、もう一度よーく考えた方が良かったのかもしれない。
まず、年によって変わる会場。今回はザバン市だって聞いて、あれぇ?とちょっと思った。
そして夜刀が、ドコにでもある様な定食屋さんに入って行くのを見て、ますますいやぁな予感がした。
そして。
「すみません。ステーキ定食弱火でじっくり2人前お願いします・・・・・・ドコ行くんだ、世癒」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・予感が確定に変わった瞬間でした。
初っ端から波乱を感じ取ってしまった日。
「・・・・・・聞いて良いかな、夜刀。今年の試験は一体何期目になんの」
「287期。あれ、言ってなかったっけ?」
聞 い て ま せ ん と も ! !
何でよりによって、原作主人公と同期!!こちとら原作に関わる気全く無いのに!!
しかも変態ピエロまでいるじゃん!!あたし達顔割れてない!?ねえ割れてるよね!?
更に言うなら某一家の長男三男まで!!キキョウさんあたりから何か聞いてたらどーすんの!?
あたしヤだよまたカラコン取り上げられるの!!
頭ん中でぎゃーぎゃー言い募りつつも、エレベーターはごぉんごぉんと地下へまっしぐら。
そして開いた扉の先には、見るからにカタギでない人達の鋭い視線が。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・帰ってイイかな」
「何言ってんだよ世癒、ココまで来たんだから腹括れって。ほら、行くぞ」
ぼそっと呟いたら夜刀にがっしり腕掴まれて、ドナドナの子牛のごとく引き摺られた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・イイや。うん。もうどーにでもなれば。
そしてそんな諦め気分のまま、夜刀と一緒に番号札ゲット。
「・・・・・・297と298?」
「コレが12ロール入りダブルのトイレットペーパーの値段だったら絶対買いだよな」
・・・・・・うん確かに買うけど・・・・・・何でそー具体的な・・・・・・
はぁ、と小さく溜息吐いた時だ。
――――――ぞわぞわぁ、と。なんかすっごいヤな視線感じたのは。
しかも近い。あたし達のすぐ後ろ。
コレ、すっごい、身に覚えがある。
こくん、と生唾飲み干した。
そろーり、と後ろを振り返った。
「やあ☆久し振りだね◇」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりコイツだったマッドピエロ。
しかも何。そのすんごいサワヤカな笑みは。とてつもなく似合わないんですけど。
「――――――人違いじゃないのか」
内心冷や汗だらだら、見た目凶悪なガン飛ばしで言って捨てる。
だけどヒソカは「イヤイヤ◇」と笑って。
「キミじゃなくて。ソッチの方だよ◇」
え。夜刀の方?
「キミ、エクソシストでしょ☆」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。すっごい勘違い炸裂だ。
「だったら何だ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっわぁ。夜刀も、何もソコで肯定なんかしなくても。
「どうかな、僕と一戦ヤッてみない?」
「断る」
夜刀が即答するのと同時に、あたしは夜刀を背後に庇う様に前に出た。
こんな変態戦闘狂に、夜刀を汚されたくない。
ソレを見たヒソカがぱちくりと瞬いて、更に面白そうな顔をした・・・・・・あ。なんかヤな予感。
「なら、ソッチのキミはどうかな?」
「断固拒否だ」
即答です。ええ、夜刀だけじゃなくあたしまで即答ですとも。
しかも今度は夜刀があたしを自分の腕の中に隠す様に引き寄せる。
そんなあたし達をしばらく見ていたヒソカが、急に小さく笑い出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なに。今度は何が琴線に触れたの。
「何かそうしてると、本当に猫みたいだねぇ◇」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにこのデジャヴ。
「ま◇ソノ気になったら何時でも声掛けてよ◇猫ちゃん達◇」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりバレてーら。
まあ、コイツも一応今は蜘蛛の一味だから?団長サマ経由の情報で、知っててもおかしくはないけど。
新しい変装、考えなきゃならないかもしんない。
じゃあねぇ◇なんてニヤニヤ笑いながら離れていくヒソカに。
あたし達は2人揃って、でっかい溜息を吐きだした。