のチョイスしてきた髪染めは銀。白髪っぽく見えなくもないけど、光に反射してキラキラ光る。
カラコンは、作り物では出せない青銀に限りなく近付けて、綺麗な薄い湖の蒼があたしの左目に填まった。
ビミョーに色が違うけど、コレなら黒と青銀より印象薄いから、って眼帯も外した。
その代わり、前髪下ろして顔の上半分隠してるけど。
幸か不幸か、賞金に掛けられたあたしの特徴は髪と目の色と『絶体の美青年』って文句だけ。顔写真なんかありもしない。
だからけっこー簡単に、街にも繰り出せるんだけど。
・・・・・・・・・・・・どーしてあたし、こんなの受け取っちゃったんだろ。
新しい動きに呑まれた日。
「で。持って帰って来たワケ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい。」
「お人好し」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴメンナサイ。」
呆れた様なの口調に、あたしはしゅん、と身を縮こませる。
久しぶりにごはんが恋しくなって取ったホテルの一室。
テーブルの上には、何が入ってるのか解らない、手の平にちょーど乗るくらいの小さな箱。
うん。まあ、アレです。
と別れてウィンドウショッピングなんてしてる時に、例の如く裏路地入っちゃって迷子になってたんだけどさ。
ソコで、虫の息なおにーさんと遭遇したワケですよ。
――――――ああ、この人もう助からないな、って思った。
だけど一応、医者呼んでくるからもう少し踏ん張れ的な声を掛けたら。
渡されたんですあの箱を。
どーやらおにーさんは運び屋さんで、依頼主から預かったブツを届ける最中に襲われたらしい。
既に目が見えてないみたいで、あたしを誰かの名前で呼んだあたり、仲間と勘違いしてたんだろう。
間違えるなよ。
しかも最後のおにーさんのセリフ。もー思わず血の気が引いたね。
だって。
「よりにもよって届け先がゾルディック、だなんてね」
そう、よりにもよってあのおにーさん。息を引き取る前に言ったのさ。
コレを、はやく、ゾルディックに、って。
「前のクロロの時といい・・・・・・、あんたそのすぐ場の雰囲気に流されるクセもーちょっとどーにかしよーよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うぅぅ。」
返す言葉もゴザイマセン。
しゅーん、と。穴があったらソレこそ潜り込んでるだろうあたしに、は小さく溜息を吐く。
「・・・・・・・・・・・・で、どーすんの、」
「・・・・・・・・・・・・うん、やっぱ、頼まれちゃったし」
返事はイヤイヤ。心の底から仕方なさそうに。
だって実際行きたくないからね。
でも死んだ人の最後のお願いを無碍にするってのもなぁ。
・・・・・・ソレに、届け先が暗殺一家なんてこんな何が入ってるか解らない物騒なモノ、いつまでも持っていたくないし。
だからって、捨てたら捨てたでまた別の意味で怖い様な。
はぁ~、と気の重い溜息を吐く。
そしたら、ぽんぽんとがあたしの頭を撫でた。
「ま。体の良い特訓だと思って、気楽に行けば?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・思えるか」
てゆーか。
あたしはなんであんたがそんなに楽観的なのか全く理解できないよ。
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