そして約1分後・・・・・・いや、1分も掛かってないね30秒だね30秒。

あたしの周りには屍累々。何かあった時の為に隠れてたヤツ等含めて全部で5人。

細い路地だから、足の踏み場に苦労する。





『・・・・・・、ちょっとヤリすぎじゃない?』

「んな事ないってふつーよふつー」





バランス良く右肩にひっついたままのに、にぃっこりと笑った。




 




 




 





 
始まりから止まった日。




 




 




 




 
それからまたまたさっくりと1日が立ちまして。

現在午後2時、というランチタイムにはちょっと微妙な時間帯。

オープンカフェの、けっこー年季が入った白いテーブルセット。

ソコであたしはほくほくとチョコレートパフェをパクつき、は買った新聞に目を通しながらコーヒーを飲んでいる。





「ピアスにカフス。後ブレスとリングとペンダントトップ。結構良い値で売れたね」

「そだね。良かったよ二束三文ではたかれなくて。クロス出さなくて済んだし」





質屋で売れたアクセは全額で5万8千ジェニー。

買った時は5点とも3万円以上だったけど、それでも4年以上前で。なのに3分の1の金額がバックしたのは、嬉しい。

やっぱ、あんなデザインの装飾品って、あんまりこっちの世界にはないのかな。





「で。コレからどうする?」

「ん。服は手に入ったしとりあえず軍資金稼ぎ、かな。出来るだけ危なくない仕事で」





アクセを換金してから速攻で乗り込んだ古着屋さんは、イイ仕事してんのに値段はリーズナブルで。

最初は遠巻きにしてた店員のおねーさんも、何時の間にか色々引っ張り出してきてくれてさ。

双子の兄にプレゼントするんです、とかって言ったら豪快にじゃあコレお揃いで着てね、とかってコートを2着もオマケしてくれた。





「基本は電脳ネットの何でも屋、もしくは裏稼業の仕事安定所、かな」

「身分証ないしね。でもあんま目立ちたくないな。裏稼業も出来るだけ外したい」





オッド・アイより隻眼の方がまだ相手に与える印象は少ないから、って瞳の朱金を隠す為の眼帯は、お手製の黒い布製で縁に銀糸の刺繍。

ちなみに裏面もぎっちり魔方陣みたいなのが刺繍してあって、透過の魔法が掛かってるから視界的にはノープロブレム。

あたしもお揃いで右目の青銀隠してるんだぞぅ。





「んじゃ電脳ネットで確定ね。運びとか警護とか盗みとか殺しとか、何か専門つける?」

「んー・・・・・・犯罪行為に当たる事はしない。だけつける」





だって暗殺は某家族がいるでしょー?

略奪なんて蜘蛛に任せてればいーのさ。

タダの殺しは気分的にあたしがやだ。





「りょーかい。んじゃそんな感じで登録済ませちゃおう」

「ん。よろしこ~」





ぱさり、と新聞をたたんで締めくくるに、あたしも目の前のパフェ攻略に専念。

それにしても、とちらり見遣ったは、溜息ものだ。





黒いスリムデニムに黒い7部袖のタートルネック。

そしてやっぱり黒いレースアップのブーツは、見た目紐とベルトで厳ついけど、実は内側のファスナーであっさり脱げるシロモノだ。

その上オマケのインディゴブルーの袖無し裾長コートを着たは、雰囲気の涼し気さも相俟って、同じ顔のあたしから見ても目の保養。

ちなみにあたしのスリムデニムは亜麻色で、同メーカーらしいブーツは鳶色。タートルネックは樹皮色でノースリーブだ。

お揃いで貰ったコートはブリックレッド。着脱式の袖は、と違って着けたままだけど。





「・・・・・・ほんと、身体とか顔とか見た目は全部一緒なのに。どうしてこうも違うかね」

「いや、も充分以上に目の保養の対象内に入るから・・・・・・って、口にクリームついてるよ

「え。どこ」

「そこ・・・・・・ああ、ちがうちがう」





すい、との手が伸ばされた。

取ってくれるのかって思って大人しくしてたら、が椅子から心持ち腰を上げて、あたしの顎を固定して。





ぺろん。

――――――きゃあぁぁああああっっっっVVV





・・・・・・・・・・・・何か今、背後ですっごい黄色い声が聞こえた様な・・・・・・・・・・・・

「取れたよ」

ああ、そういやさっき、広場で何かイベントみたいなのやってたなー。

「ん。あんがと」





お礼ね、と座り直したを追っかけて頬にキス。

そしたらまた、黄色い声がどっかから響いてきた。

この街、そんなに大人気なアイドルでも来てんのかな?




 




 




 










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