どぅんっっ!!
何の前触れも無く起きた爆発音と、振動。
一同は一瞬驚愕を見せ、しかし直ぐ様呆れた様な表情を浮かべた。
「・・・・・・全く、今度は誰かな」
「僕とキンちゃんじゃ無い事だけは確かだけど」
「俺でもねーぞ」
吐息交じりの叔父の言葉に、常に爆発の原因を作っている研究バカと新総帥は顔を見合わせる。
「ソレじゃあ、ジャンかな?」
「彼には臨時で教官をやって貰っている。この時間は若い子達と実施訓練中だよ」
「・・・・・・残る可能性は、高松か」
「其れも有り得ないと思うが。ドクターなら昼過ぎから所用で本部を出ているからな」
続く言葉に、元赤の番人を弁護したしたのは元総帥。
医師の弁護をしたのは現総帥の分身だ。
「それじゃあ、一体誰が・・・・・・」
「あれ、煙が出てるの、G棟だ・・・・・・って、まさか、アソコ・・・・・・!!」
更に困惑した様な叔父の言葉を、遮ったのは最年少の子供の声だった。
硝子の向こうに見えた黒煙に、慌てた様に身を乗り出す。
其の様子に、尋常成らざる気配を感じ取り、新総帥は首を傾げ。
「どうした、コタロー?」
「アソコ!!あの人がいる辺りだよ!!あの・・・・・・!!」
がちゃん。
言い募ろうとした子供の声を、遮る音。
ハッと振り向けば、卓上の上。
切羽詰った様に顔を強張らせる、二人の少年。
「・・・・・・この、気配・・・・・・」
「アイツだ・・・・・・しかもやべぇ!!」
「・・・・・・何だって?」
思わず二人に向けて訊ねた。其の時。
二つの姿が一瞬にして掻き消えた。
否。掻き消えたのでは無く、駆け出したのだ。
目で追うのも困難な程に、素早い動きで。
六対の瞳が、其れこそ先程の爆発時の比では無いくらいに驚愕に見開かれる。
思わず後を追ってみても、開け放たれた扉の向こうに少年達の姿は既に無く。
「何だってんだ、一体・・・・・・?」
「判んない・・・・・・けどおにーちゃん、早く!!」
舌打ちと共に呟きながらも。
残された青の一族全員も又、駆け出した。
爆発が起こったであろう場所に、向かって。
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